2020 Fiscal Year Annual Research Report
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20H04142
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
安田 雅哉 立教大学, 理学部, 准教授 (30536313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍛冶 静雄 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (00509656)
藤澤 克樹 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (40303854)
青野 良範 国立研究開発法人情報通信研究機構, サイバーセキュリティ研究所セキュリティ基盤研究室, 研究員 (50611125)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 格子暗号 / 最短ベクトル問題 / 格子基底簡約 / 列挙法 / 大規模並列化 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子計算機による解読にも耐性のある耐量子計算機暗号(Post-Quantum Cryptography)の有力候補である格子暗号方式の本質的な安全性は、格子上の最短ベクトル問題(SVP, Shortest Vector Problem)の計算困難性に基づく。本年度(2020年度)は、最短ベクトル問題に対する解読アルゴリズムの大規模並列化フレームワークの設計・開発に成功した。具体的には、最短ベクトル問題を解く際に必須の格子基底簡約アルゴリズムDeepBKZに対して、分枝限定法に対する汎用的な並列化フレームワークUbiquity Generator (UG)を適用することで、格子基底簡約アルゴリズムの大規模並列化システムの開発に成功した。より具体的には、格子基底簡約の処理において世界で初めての分散型かつ非同期な大規模並列化システムMAP-SVP(Massively Parallel Solver for SVP)を開発し、最大100,032並列プロセスの大規模計算機上での数値実験に成功した。また、2010年からドイツ・ダルムシュタット工科大学が開催・運営しているSVPチャレンジに対しては、127以下の多くの格子次元のSVP解読記録を更新するなど、MAP-SVPを用いて従来よりも圧倒的に短い処理時間で格子上の最短ベクトルを見つけることに成功した。これらの研究成果は、高性能計算機の分野で最高峰の査読付き国際会議SC20に採択されると共に、格子基底簡約アルゴリズムDeepBKZの変種方式が暗号分野における多数の査読付き国際会議・国際雑誌に採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
格子基底簡約アルゴリズムの並列化に成功し、当初の予定通り大規模な計算機環境下での数値実験まで行えた。これらの研究成果は暗号技術と高性能計算の両分野における多数の国際会議・国際雑誌に採択されるなど、着実に目に見える成果としてアピールできているため、おおむね順調に研究を推進できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2020年度開発した並列化フレームワーク・システムを用いて大規模解読実験を本格化させていく。具体的には、100~130次元の最短ベクトル問題インスタンスを中規模並列化での解読実験を繰り返しながら、格子基底簡約・列挙法内のパラメータを最適化し、大規模並列化により130~150次元への解読にもチャレンジしていく。また、格子基底簡約・列挙法・篩法の異なる3種類の格子アルゴリズムの最適な組み合わせ方法を理論・実験の両面で探索する。さらに余力があれば、LWEやNTRUなどの格子暗号の安全性に直結する格子問題にも適用していく予定である。
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Research Products
(9 results)