2020 Fiscal Year Annual Research Report
Theory and algorithms for ill-conditioned conic linear programming
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20H04145
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
村松 正和 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70266071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蛯原 義雄 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (80346080)
奥野 貴之 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (70711969)
山下 真 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (20386824)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 半正定値計画 / 共正値計画 / 悪条件問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
主に次の3点に関する研究を実施した。 1点目は制御と共正値計画に関する研究である。入力信号を非負に限定した離散時間線形時不変系のl2誘導ノルムに関する研究である。Rectified Linear Unitが非負値信号のみを出 力することに着目し、離散時間線形時不変系の l2+誘導ノルムを導入することで、l2+誘導ノルムに基づいたスモールゲイン定理を導出した。 2点目は2次制約付き2次計画問題 (QCQP)に対する半正定値計画(SDP)緩和の研究である。この研究ではQCQPの持つ行列構造が森構造である場合に半正定値計画緩和が元のQCQPと同じ最適値を得るための条件を解析した。また、この結果を同時三重対角化可能なQCQPに対しても拡張を行った。 3点目は、悪条件なSDPに関する研究である。制約想定が成立していないような悪条件下において, AKKT, TAKKTという最適性条件を満たす点へ収束するアルゴリズムを開発した. この手法は各反復において, 制約想定を満たすように正則化した2次SDPを解くことに基づいており, とくに大域的収束性だけでなく, 局所的に速い収束性を備えていることが特徴的である. さらに、既存手法では1次の最適性条件を満たす点(KKT点)への収束の理論保証のみがついていたのに対して, より強い条件である2次の最適性を満たす点(SOSP点)への収束性の保証がついたアルゴリズムを初めて開発した。従来の非線形最適化と異なり, 半正定値最適化の場合は錐の曲率を考慮せねばならず, 2次の最適性条件がより複雑であることから、これまでその点への収束性が保証されたアルゴリズムは存在していなかった。本研究では、半正定値最適化に関する罰金関数の2次の最適性条件を満たす点を逐次的に求めていくことにより、それらの点がSOSP点に収束することを理論的に証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれの研究分担者が独自に研究を進めて、成果を十分な出している。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究分担者はそれぞれ別々の機関に所属しており、コロナ禍の2020年には基本的に4人が独立に研究をしていた。今後新型コロナウイルスの影響が縮小すれば、集まってディスカッション機会を設けるなど、より研究を交わらせることができればと考えている。
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