2021 Fiscal Year Annual Research Report
大局的エントロピー予測によるデータ圧縮の最適化技法の開発
Project/Area Number |
20H04152
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山際 伸一 筑波大学, システム情報系, 准教授 (10574725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 吉伸 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (00514796)
和田 耕一 筑波大学, システム情報系, 研究員 (30175145)
坂本 比呂志 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (50315123)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | データ圧縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度からの研究項目であるデータストリームの局所エントロピーの数値化技法と局所エントロピーを圧縮の制御情報から数値化する技法に関するアルゴリズム開発を継続した。特に実験的に手法の有効性を検証し、アルゴリズムを確立すると共に、実装への最適化を考慮しつつ、ソフトウェアとハードウェアへの実装手法を開発する作業を行った。画像を中心にデータ圧縮実験を行い、局所のデータエントロピーがシンボル変換テーブルの変化に対して追従することを発見し、圧縮アルゴリズムを完成させた。本年度に発見したアルゴリズムの根幹を成す現象は、連続的に入力されるデータストリームの各シンボルを一時的に記憶するシンボル変換テーブルの制御によって、データストリームの局所におけるデータエントロピー、すなわち、どの程度の複雑さが現れるのかを判定することが出来ることがわかり、さらに、その判定手法は非常に簡単な対数計算で可能である事を解明できた。しかしながら、圧縮器に与えるパラメタの設定値により、圧縮率の変化が大きいことがわかり、実験を通して安定したパラメタ設定を模索した。高速でコンパクトなハードウェア化を行うために、アルゴリズムに改変を加える作業を行った。この作業ではデータ圧縮の正しさは理論的に検証できる一方で、圧縮率に関しては、上述のようにパラメタによる影響が大きいため、ハードウェアでの最適化によって圧縮性能が低下しないようにアルゴリズムを改変する方法の検証を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
入力されたデータをシンボル変換するテーブルの挙動が局所のデータエントロピーに従う事を発見し、その特性を使ったデータのビット数を縮小できる圧縮アルゴリズムを研究計画より早期に開発できたことが進捗情報の理由である。データの復号化についても可能であることを様々なデータを対象に実験することで可能である事を確認でき、さらにパラメタ調整が必要であることまでが判明したことも早期に研究が進んだ成果であることも理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は圧縮・復号化のアルゴリズムを改変し、ハードウェアに高速でコンパクトな実装を行うためのアルゴリズムの変更をする必要がある。この作業には、アルゴリズム変更に対し、解凍後のデータの正しさや、ハードウェアの規模と性能に加え、パラメタに対する圧縮率の体制に関しても注視しながらアルゴリズムの挙動に対する知見を蓄積する必要がある。これらの作業では、ハードウェアと等価なソフトウェアによる評価実験が必要になるが、研究補助者を雇用することにより実験と検証を推進していく。
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