2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Distributed Consensus by Using Synchronizing Vibration
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20H04169
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
佐藤 一郎 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 教授 (80282896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 達夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10251977)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分散システム / 分散同意 / データ複製管理 / 一貫性制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然界の振動系の同期現象(例えば心筋の伸縮周期やホタルの発信周期などの同調)に相当するメカニズムを分散システムに導入して、分散同意を効率化する。分散合意は様々な分散アルゴリズムの基礎となり、クラウドコンピューティングのデータ管理にも多用されている。しかし、複数コンピュータによる合意要求等が重なると、分散合意処理に手戻りが生じ、合意に至るコストが大幅に大きくなるという問題がある。この問題を解決する方法として、本研究では多くの分散合意手法がマルチキャスト通信とそれに対する返信を順番に繰り返していることに着目し、分散合意処理過程を振動現象と捉えるとともに、自然界の振動系の同期現象のメカニズムを導入し、分散合意に関わる通信の周期や位相を自律的に調整させ、連続して行われる分散同意処理における各種要求の衝突を最小化する方法を提案した。 本提案は次のプロセスとなる。①分散同意の形成メンバーとなる各コンピュータは、それ自身の周期でマルチキャスト通信を他のメンバーに送信する。②各コンピュータは他のコンピュータによるマルチキャスト通信を受け取ると、心筋細胞や蛍と同様に、送信元のコンピュータの周期と自らの周期の比較に応じて、自らの発信周期を僅かにずらすことで同期させる。③同期化した周期を参加するコンピュータ数で時分割した時間間隔(以降、位相スロットと呼ぶ)を設定する。④各コンピュータは高々ひとつの位相スロットの占有を求めて、他のコンピュータが利用していない位相スロットにおいてマルチキャスト通信を行い、同時に他のコンピュータから送信がないことが一定期間以上確認できると、その位相スロットを占有する。 提案方式による汎用的ミドルウェアを設計・実装して、分散合意が実現できること、更新などの衝突が減らせることを評価・確認した。この結果は実システムにおけるデータ管理の性能改善に寄与することができる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)