2020 Fiscal Year Annual Research Report
防犯カメラ人物映像解析:歩行・走行・自転車運転人物の認証・認識技術開発
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20H04188
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
村松 大吾 成蹊大学, 理工学部, 教授 (00386624)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バイオメトリクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題を達成するためには,データ収集,アルゴリズム開発,データでの検証が必要である.以下それぞれの進捗について示す. データ収集:コロナ感染拡大の影響で,被験者を集める実験が制約されていたため,研究室メンバーを中心とした小規模なデータ収集にとどまっている.複数視点からのデータ収集ができる環境を構築し,各被験者には,研究室内で自転車に乗車してもらい,それを複数カメラで撮影することでデータを収集した.データ収集では,普通に乗車してもらう,急いで乗車してもらう,の2種類の自転車乗車映像を撮影した.現時点で15人の被験者,5視点からのデータを収集している. アルゴリズム開発については,要因抑制アルゴリズムの開発を進めた.要因抑制学習とは,認証精度に悪影響を与える要因を特定し,その影響を排除するように学習するアルゴリズムである.このアルゴリズムでは敵対的学習の枠組みを利用し,悪影響を与える要因による識別課題を解決できないように損失関数を工夫し,学習することで,その影響を排除するものである.開発アルゴリズムをまずは歩容の年齢推定課題に適用した.この結果,学習データに偏りがある状況下でその有効性を確認できた. データでの検証においては,まずは収集した自転車乗車映像に対し,インスタンスセグメンテーション手法を適用し,シルエット化したのちに,周期を検出した.そののち,周期内でのシルエットを平均化することで行動特徴を作成し,作成特徴を用いて認証評価を行い,ある程度の精度で認証ができることを実験的に確認した.この特徴は歩容認証で利用されている特徴であるが,自転車に乗車する行動と歩行する行動では,特性が異なることより,異なった特徴表現のほうが自転車乗車データに対しては適していそう,という知見も得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の課題を達成するためには,データ収集,アルゴリズム開発,データでの検証が必要である.以下それぞれの進捗状況について示す. データ収集:コロナ感染が長期化していること,また研究室利用の制約が厳しいことなどで,大規模なデータ収集が進められず,研究室メンバー中心の小規模なデータ収集にとどまった.そのため,データ収集の点は予定より遅れている状況である. アルゴリズム開発については,要因抑制学習の実装を行い,有効性の検証を行った.本来であれば,自転車,歩行,走行データを対象として評価を行うべきであるが,データ収集が小規模にとどまったため,既存の大規模歩容データベースを用いた検証を行った.検証の結果,提案している手法の有効性は確認できたため,アルゴリズム開発については予定通り進んでいるといえる. データでの検証については,小規模データを用いた認証アルゴリズムの実装及び評価を行えている.ただ,データ収集の遅れがあるため,データでの検証も少し遅れている状況である. 全体としては,アルゴリズム開発は既存のデータベースを用いることで有効性の確認ができているが,データ収集が遅れているため,データによる検証にも遅延があり,全体としてはやや遅れている状況である.ただし,データ収集の目途がたってきたので,これらは大きな後れではないと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
現在要因抑制学習という,認証に悪影響をあたえる要因に影響を排除するアルゴリズムの開発ができている.このアルゴリズムは,歩行,走行,自転車乗車という,行動の違いに着目した場合に,この行動の違いを要因と考え,この影響を排除するように学習をすることで,認証精度の改善が期待できる.そのため,行動の違いに着目した要因抑制アルゴリズムを,歩行,走行,自転車乗車間でのクロスモーダル認証に適用する計画である. 一方で,コロナ感染拡大の影響で,研究室内でのデータ収集が困難であったこともあり,クロスモーダルのデータ収集がこれまでできなかったが,今後収集できる目途がたってきた. 研究室内で構築した実験環境において,密になる状況を避けつつ,長いスパンで少しずつ被験者を集めることで,歩行,走行,自転車乗車のクロスモーダル認証用データを収集していく.一定数以上のデータが収集できたら,要因抑制アルゴリズムを適用することで,クロスモーダルの認証,また撮影角度の異なるデータ間での認証精度の改善をしていく. また屋内データとは別に,屋外でのデータ収集も行っていく.このデータでは,屋内環境とは異なり,歩行,走行,自転車乗車における行動の自由度が増え,より困難な課題になると考える. 高精度化するために,開発済アルゴリズム適用した結果を解析することで,悪影響を与える要因を特定していく.その上で,それらをうまく抑えるように学習することで精度改善を目指していく.要因抑制学習の利点は,要因の影響を抑制できることであるが,その一方で,その要因がなんなのか,を明らかにする必要がある.隠れた要因においても,その影響を抑制できるようなアルゴリズムへの改良も検討していきたい.
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Research Products
(2 results)