2021 Fiscal Year Annual Research Report
ストレージクラスメモリを活用した高速データベースエンジンの構成法
Project/Area Number |
20H04191
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
合田 和生 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80574699)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストレージクラスメモリ / データベースエンジン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ストレージクラスメモリなる新たな記憶媒体を対象として、当該媒体が備える永続的でありかつ低レイテンシであるという特性に高次に適合した高速データベースエンジンの構成法を明らかにすると共に、その有効性を確認することを目指すものである。 第2年度である令和3年度は、前年度に成果に基づき、ストレージクラスメモリに適合した高速データベースエンジンの中核を成す融合記憶マネージャに焦点を絞ることとし、レイテンシを低減する或いはスループットを向上するための親和性制御方式ならびにロックフリー化バッファ管理アルゴリズムの開発を進めた。前年度に開発したデータベースバッファマネージャ(データベースエンジンに於いて主記憶と二次記憶を接続する役割を担う)を実装した試験システムをもとに、更に記憶操作に係る状態を管理するための各種の方式(状態管理のためのデータ構造、キャッシュ管理アルゴリズム、スレッド間の排他制御等)について有効性を実験により検証しながら、改良を進めた。この際、負荷としては、ページアクセスレベルの人工的なマイクロベンチマーク(偏りのないアクセスおよび偏りのあるアクセス)の他、TPC-Hベンチマークをもとに作成した解析系問合せ処理ならびにバルクロード処理を対象としたページアクセストレースを用いた。この結果、改良を行った各種の親和性制御方式ならびにバッファ置換アルゴリズムと負荷の特性との潜在的な関係を定量的に確認することに成功した。加えて、本研究で得られた知見をもとに、並列データマイニング処理へのストレージクラスメモリの活用を目指した新たな予備実験を実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初期の予定通りに、ストレージクラスメモリに適合した高速データベースエンジンの中核である親和性制御方式ならびにバッファ置換アルゴリズムの開発を進めることができた。この際、当初は予定をしていなかったバルクロード処理に関する試験や並列データマイニング処理に関する実験を実施することができた。研究の進捗は良好である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように研究は良好に進捗している。第3年度には更にこれを発展させることとし、具体的には、非順序型データベースエンジンを発展させた試作機を実装し、データベースベンチマーク等を用いた性能試験により、提案方式の有効性を明らかにする。
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Research Products
(8 results)