2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Innovative Frameworks for Application Analysis in Post-Peta Scale Systems
Project/Area Number |
20H04193
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
三輪 忍 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (90402940)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 高性能計算 / プロファイル / トレース / 予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はプロファイル,トレースそれぞれの予測技術の開発を行った.それぞれの開発状況を以下にまとめる.
プロファイル予測に関しては,プロファイルに含まれる実行時情報の中で関数コール回数とキャッシュミス数に着目し,それぞれの実行時情報を予測する手法を開発した.具体的には,少ないコア数,小さな問題サイズで取得したプロファイルを用いて当該実行時情報を予測するモデルをフィッティングし,フィッティングにより得られたモデルを用いて多いコア数,大きな問題サイズで当該プログラムを実行した際の当該実行時情報を予測する.予測に使用するモデルとして,線形関数,指数関数など複数の関数を組み合わせたモデルを新たに開発した.NPBを用いて評価を行ったところ,小さな問題サイズかつ少ない並列数の実行結果から大きな問題サイズかつ多くの並列数の実行結果を予測する場合において,高い精度で予測できることを確認した.また,提案手法により,プロファイル取得に要するコストを大幅に削減できることを確認した.なお,実験にはTSUBAME3.0を使用した.
トレース予測に関しては,タイムスタンプ予測技術の開発を行った.具体的には,先行研究で提案されているタイムスタンプ予測手法を分析し,通信関数の呼び出し回数が並列数だけでなく問題サイズにも依存するアプリケーションに対して予測精度が悪化することを明らかにした.また,上記の問題を解決するために,並列数だけでなく問題サイズも用いて通信関数の呼び出し回数を予測するモデルを新たに考案し,このモデルを用いてタイムスタンプ予測を行ったところ,通信関数の呼び出し回数が問題サイズにも依存するアプリケーションに対して先行研究の手法よりも高い予測精度を示すことを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロファイル予測技術開発に関しては,昨年度開発した基礎モデルに改良を加えたことにより,並列数とコア数の両方を同時にスケールさせた場合においても高い精度で関数コール回数とL1データキャッシュミス数を予測できるようになった.これにより,モデルのパラメータフィッティングに必要なプロファイルの取得コストを大幅に軽減することができ,プロファイル予測が有用なケースを増加させることができた.
トレース予測技術開発に関しては,先行研究で提案されたタイムスタンプ予測手法の問題点を明らかにするとともにその解決法を考案し,その有効性を示すことで,基礎となるタイムスタンプ予測手法が構築できた.
ツール開発に関しては,少ない並列数かつ小さい問題サイズでプログラムを実行した際のプロファイルから関数コール回数,および,L1データキャッシュミス数を予測するモデルを自動生成するプログラムを開発した.上記のプログラムはPythonを用いて開発した.
|
Strategy for Future Research Activity |
プロファイル予測に関しては,NPBだけでなく実HPCアプリケーションに対しても評価を行い,本年度に開発したモデルの有効性の検証をさらに進める予定である.また,開発したモデルが他の実行時情報(例えば,L1データキャッシュ以外のキャッシュミス数,キャッシュアクセス数,メモリアクセス数,浮動小数点演算回数など)の予測に利用できるかも今後検討する.
トレース予測に関しては,本年度開発した基礎的なタイムスタンプ予測手法の改良を進めるとともに,改良した手法を本研究課題のフレームワークへ実装する.また,評価対象のアプリケーションを増やし,より多くのアプリケーションに対する提案手法の有効性を検証する予定である.
ツール開発に関しては,引き続き実行時情報ごとに予測プログラムを開発する.ある程度の種類の実行時情報の予測が可能になり,かつ,予測精度がある程度高くなった段階で複数の予測プログラムをパッケージとしてまとめ,1つのツールセットとして公開する予定である.
|
Research Products
(1 results)