2020 Fiscal Year Annual Research Report
Sensing and Actuation for Accelerating Knowledge I/O by Humans
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20H04213
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
黄瀬 浩一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80224939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 翔也 大阪府立大学, 研究推進機構, 客員研究員 (10788730)
岩田 基 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70316008)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 知能増強 / 学習増強 / 英単語学習 / 手書き文字 / 確信度推定 / ナッジ戦略 / 英文多読 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、以下の研究を行った。 (1) モバイル・ボキャブロメータの開発:COVID19の影響により対面の実験が実施しにくくなったこともあり、ボキャブロメータと呼ぶ単語学習のマルチメディア環境を、スマートフォン上で動作可能とすべくシステム開発を行い、基礎的な実験を実施した。その結果、最初のバージョンが完成するとともに、ビデオ教材を用いた単語学習の方が、フラッシュカードによる単語学習よりも効果的なケースがあることが実証された。 (2) 手書き筆跡の解析による確信度推定:演習問題の解答を手書きで記す場合について、その解答に対する解答者の確信の度合いを、筆跡データから推定する手法を開発した。具体的には、英単語の問題を対象として、log-normal分布を用いた筆跡の解析により、確信度が精度良く推定できることを示した。 (3) 英文多読促進のためのナッジ戦略開発:英文多読は、英語の学習において、効果的な手法の一つとして知られている。一方で、多読を継続することは、一般には難しく、何かしらの手立てが必要であることも事実である。本研究では、様々なナッジ戦略を導入し、英文多読を促進することを、スマートフォン環境で実現し、実験により効果を確認した。具体的には、1日に読んだ語数を表示すること、目標を設定して達成度合いを表示すること、よく読む時間帯や場所にさしかかったときに、通知を送って読書を促すこと、読んだ語数を他の人とシェアすることによりピアプレッシャを与えることを試みた。その結果、ピアプレッシャが多くの学習者で有効であること、目標設定は約半数の学習者に有効であることを示した。加えて、性格テストや日頃の読書量をもとに、目標設定が有効に働く学習者を選定することにも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID19の影響により、当初の計画を変更しなければならない部分は生じた。具体的には、実験の環境を、一部、対面からオンラインに変更すること、また、オンラインでの実施のためのシステムを構築することなどである。加えて、対面実施しかできない実験については、一度に参加する人数を絞って、時間をかけて実施することとなった。 ただし、一部の成果については、COVID19の影響を受ける以前に取得したデータに基づいているため、全体としては、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID19の影響を回避しつつ実験を継続するため、モバイル環境やネット環境での実験を可能とするシステム開発や更新を継続することが重要である。加えて、感染状況に応じて柔軟に対面実験(密を避けつつ安全に実施できる工夫など)を実施する方策も考慮する。
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