2020 Fiscal Year Annual Research Report
A virtual reality environment capable of dexterous operation and texture presentation using a physical model of friction sliding
Project/Area Number |
20H04220
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長谷川 晶一 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (10323833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三武 裕玄 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (30613939)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ハプティックレンダリング / 摩擦モデル / LuGreモデル / 部分滑り |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(A)摩擦モデルを構築し、(B)摩擦振動と滑りの計測に基づいてパラメータ同定し、(C)部分滑りの提示装置とその制御手法を確立する。これらを(D)把持操作VR環境に組込み、(E)器用さと質感の評価を行うことを計画している。 2020年度は、(A)摩擦モデルについて、LuGreモデルを用いたハプティックレンダリングを実現した。LuGreモデルは、部分滑り、ヒステリシス特性、Stribeck効果、粘性摩擦といった摩擦現象をモデル化しており、剛毛の平均変位を状態変数として持つ。把持に関わる摩擦振動へは、部分滑りと摩擦係数に影響するStribeck効果、粘性摩擦が影響するが、 従来のハプティックレンダリングでは含めることのできていなかった部分滑りを再現することができ、より現実に近い摩擦振動を再現することができた。また、柔軟な指のモデルに用いる局所剛性行列FEMを実現したが、安定性の高い後退積分を行うために繰り返し計算が必要となり計算量が多くなるため、近似などによる改善が必要だと分かった。 (B)滑りの計測に基づいたパラメータ同定については、計測装置の作成の遅れなどから、2021年に行うこととした。 また、在宅で研究を進めることができるようにするため、ハプティックインタフェースSPIDAR-Gの廉価版を設計、製造し、学生を含む研究参加者の自宅にPCとともにSPIDAR-Gを持ち帰らせ、研究が進められるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、(B)摩擦振動と滑りの計測に基づくパラメータ同定を行う計画であったが、新型コロナ感染予防のために在宅で研究を進める必要があったため、計測装置の制作に通常より時間を要すること、(A)摩擦モデルの構築に必要な研究環境を整える方が効率が良いと考えられることから、ハプティックインタフェースを設計、複数制作することを優先した。このため、(B)の計測とパラメータ同定は年度内に実施できなかった。 また、試作に必要なレーザー加工機の故障とその修理に時間を要していることも遅れの原因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
(A)摩擦モデルについて、我々は、摩擦振動に静摩擦係数の固着時間依存性が大きな影響を与えることをすでに確かめている。そこで、まずLuGreモデルを拡張し、固着時間依存性を含むモデルを作成し、これを用いたハプティックレンダリングを実現したのち、(B)の計測と同定を行う。(C)の提示装置の制作を進めるとともに、在宅での研究が必要な場合には(D)把持操作VR環境の構築を先行して進めたいと考えている。
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