2020 Fiscal Year Annual Research Report
実世界デバイスを拡張するファンクショナル・テクスチャ
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20H04231
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
塚田 浩二 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (20415714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 治輝 明治大学, 総合数理学部, 助教 (80824458)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インタラクション / マテリアル / 実世界デバイス / パーソナルファブリケーション / ツールキット |
Outline of Annual Research Achievements |
本提案では,デジタル工作機械を用いて日用品やスマートフォン等の実世界デバイスに対して多様な「質感」と「機能」を付与可能な「ファンクショナル・テクスチャ」を構築する.従来,外観/触り心地等の質感設計はデバイスの試作段階ではあまり考慮されてこなかったが,本提案では任意の質感を明示的/暗黙的に付与し,デバイスの機能も調整可能な造形手法を提案する. 質感の種類としては,大きく「光学テクスチャ」「機構テクスチャ」「素材テクスチャ」の3種類を想定し,デジタル工作機械を用いた造形パラメータの検証と事例構築を進めた. 素材テクスチャについては,3Dプリンターで造形可能な毛構造を元に,造形パラメータの調査や後処理等の技術検証を進めた段階である.光学テクスチャ/機構テクスチャについては,具体的な事例構築を進めたため,以下に紹介する. 光学テクスチャの一例として,UVプリンタで薄型シートに印刷可能なレンズアレイを用いた質感フィルターを提案した.これを任意のディスプレイ(スマートフォンや小型マイコン等)に搭載し,独自のパターン設計ツールと組み合わせることで,見る角度に応じて異なる情報提示を行える多視点情報提示を実現した. 機構テクスチャの一例として,3Dプリンタで造形可能な物理的な機構のみを利用して,スライダー等の可変抵抗に,クリック感/重み感等の触覚的なフィードバックを付与する手法を提案した.「一般的な可変抵抗に容易に脱着できる」,「クリック感と重みを個別に付与できる」,「低価格なFDM式3Dプリンターで手軽に造形できる」,「視覚的手掛かりの有無を切替できる」といった特徴を備えており,スライダー型/ダイヤル型の2種類の可変抵抗を対象に実装した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度は各テクスチャについて,基礎的な造形可能性やパラメータを検証する予定であった.「素材テクスチャ」については,当初の想定通り検証を進めつつ,「光学テクスチャ」「機構テクスチャ」については,次年度予定していた事例構築まで踏み込むことができたため,(1)当初の計画以上に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,「光学テクスチャ」「機構テクスチャ」「素材テクスチャ」の種類毎に試作/造形テストを行い,基礎的な設計の妥当性を検証しつつ,個別の設計ツールを試作する.さらに,研究の進捗に応じて,各テクスチャ毎に複数の事例構築を進める.
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