2021 Fiscal Year Annual Research Report
現実空間を踏まえた複雑環境下における、個人差を考慮した光学・神経系包括視覚モデル
Project/Area Number |
20H04271
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
三橋 俊文 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (20506266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棚橋 重仁 新潟大学, 自然科学系, 助教 (00547292)
広田 雅和 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (40835435)
斎田 真也 神奈川大学, 付置研究所, 研究員 (90357054)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高精度眼球運動測定 / VR空間での見えの大きさ / 高精度眼球光学モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では提案時より4項目 ①ヘッドマウントディスプレイHMDによる複雑環境の提示,②頭部非固定眼球運動調節測定,③高精度眼光学モデル,④深層学習(神経系モデル)に分けて研究を進めている. 2021年度は①HMDシステムの心理物理実験応用に関して, VR空間と実空間の視対象の見えの大きさと視対象までの距離の知覚誤認について研究を進めた.このために実空間にある正方形の網膜上の残効とVR空間にある正方形の大きさの比較実験,対照実験として前者を実空間の正方形として比較する実験を行い.2つの実験結果を比較することにより,視対象の像の大きさはHMDの光学系の影響を受けないことと,VR空間では実空間と比べて視対象までの距離が遠くなると視対象の見えの大きさを過小評価することを確認した.さらに評価を進めることにより,HMD上での大きさの過小評価は,HMDの光学系の影響ではなく立体視時に生じる輻輳と調節の矛盾が原因と結論づけた. ②の眼球運動計測に関しては,アイトラッカー (VOG) と物体検出ディープラーニング (SSD) を組み合わせた眼球運動システム (VOG-SSD システム) を完成させ,眼球運動を他覚的定量評価できることを国際誌 (Hirota et al., Transl Vis Scie Technol, 2021) で報告した.さらに,検査-解析-評価のシームレス化を目指し,VOG-SSDシステムによって測定した視標と眼位情報から,眼球運動の潜時やゲイン (視標の動きに対する眼球の追従率) を自動計算する解析ソフトウエアを開発した. ③の眼光学モデリングでは,モデリングのための前眼部,後極部,高次収差をセットとした280例,560眼のデータセットを構築した.このデータセットの信頼性や周辺屈折との関係も調べた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の新型肺炎の影響による遅れは挽回しつつあるが,心理物理実験や光学系の試作で遅れが見られる.2022年度はこれに注力して,成果を上げる所存である.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度までは遅れが見られたが,2022年度は当初のロードマップに戻して予定通り進める.①の複雑環境下を想定した刺激提示を含む心理物理実験では,2021年度に購入した超広角液晶ディスプレイを活用した周辺視での視覚情報の取り込みに関する研究を進める. ②の眼球運動調節測定では,これまでのDeep Learningを応用した眼球運動測定の加えて,HMD内部に組み込む超小型波面センサーの試作に取り組む.③の眼光学モデルについては,2021年に用意したデータセットについて最適化したモデルの検討を行う. また眼球運動に関しては,視標呈示が検者によって異なる臨床対応として,2021に開発したランダムな視標呈に対応した自動解析アルゴリズムを斜視を初めとした眼球運動障害の診断への適用も試みる. また,2021年度のHMDによる見えの大きさに関する研究成果を検証するために, ②で製作するHMD内で輻輳と調節を動的に測定できる装置を使った心理物理実験も行う.
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[Presentation] 網膜投影ディスプレイ使用による屈折度変化2021
Author(s)
広田 雅和, 佐々木 翔, 加藤 可奈子, 中込 亮太, 瀧川 流星, 岡部 千夏, 鎌倉 舞香, 三橋 俊文, 森野 誠治, 鈴木 誠, 林 孝雄
Organizer
第 57 回日本眼光学学会総会
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[Presentation] 網膜走査型ディスプレイによる屈折度変化2021
Author(s)
広田 雅和, 佐々木 翔, 加藤 可奈子, 中込 亮太, 瀧川 流星, 岡部 千夏, 鎌倉 舞香, 三橋 俊文, 森野 誠治, 鈴木 誠, 林 孝雄
Organizer
日本視覚学会 2021 年夏季大会
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