2020 Fiscal Year Annual Research Report
The Generative Mechanism of Music-Induced Body Movement: Exploring Its Neurocognitive System and Application to Music Therapy
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20H04303
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
正田 悠 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (00724361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 健太郎 広島大学, 脳・こころ・感性科学研究センター, 助教 (30435870)
田部井 賢一 東京都立産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 助教 (60609684)
田部井 真貴子 (阿部真貴子) 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 地域・司法精神医療研究部, 科研費研究員 (70867308)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 音楽 / 身体運動 / シンクロニー / 引き込み / 脳機能計測 / グルーヴ / 音楽療法 / コクランレビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,音楽によって人間の身体が「自動的に」動くメカニズムを実証的に解明するとともに,そのメカニズムを音楽療法に応用することを目指している。今年度は,心理学グループ,脳神経科学グループ,音楽療法グループが,最終的な総合知の獲得に向けそれぞれ研究を実施した。 心理学グループでは,音楽に含まれる運動情報が聴取者に身体運動を引き起こすという仮説をたて,音楽による身体運動を「シンクロニー」と「引き込み」の観点から明らかにするため,自律神経計測を含む実験を行った。その結果,音楽によるシンクロニーや引き込みは,演奏者と聴取者が同じ空間を共有することで強まることを示した。また,脳神経科学グループでは,音楽を聴取して身体を動かしたくなる感覚である「グルーヴ」に注目し,リズムパターンを聴取しているときの脳活動を計測した。さらに,音楽療法グループでは,これらの実証研究の応用として,認知症高齢者に対する音楽療法のエビデンス確立に向けた文献調査(コクランレビュー)を実施した。 2020年度の大きな成果の一つとして,研究分担者である田部井を大会長として開催された,日本音楽医療研究会第14回学術大会「基礎と臨床の相互理解が拓く音楽医療」において,本研究課題の研究代表者・分担者が登壇するシンポジウム「基礎から臨床へのアプローチ」を開催できたことがある。本研究課題は,音楽における知覚認知を基礎としながら,認知症高齢者に対する非薬物療法としての音楽療法への社会還元を目指しており,“基礎から応用”の融和に向けた一歩を進めることができたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題に含まれるすべての課題は人を対象とする研究であり,とりわけ,大半が脳科学,音楽療法等,医学系研究に含まれるものである。感染症予防に十分配慮した上で研究を進める必要があったため,実験・調査のスケジュールが当初の予定よりも遅れている。また,発表予定であった国際会議についても,延期・中止されるものもあり,成果の発表の面でもやや遅れが生じている。 2020年度は,研究代表者・分担者によるオンライン会議を経ながら,コロナ禍においても,その時点でできる研究を各々が実施するという方針を立て研究を遂行してきた。その成果として,本研究課題に至るまでの予備研究,また,文献調査を学会発表・論文投稿の形で公表することができたのは一定の成果といえる。したがって,現在までの進捗状況を「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染拡大状況を注視しながら,当初予定していた音楽聴取実験・脳機能計測,音楽療法のフィールド調査を当初計画通りに実施する。また,心理学グループが開発予定の尺度を脳神経科学グループで応用する,音楽療法場面における身体インタラクションを画像解析に基づいて可視化し,時系列分析を適用する等,異なる分野の研究者間のコラボレーションを進め,音楽による身体運動の基礎的・応用的研究の課題解決を図る。
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Research Products
(27 results)
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[Journal Article] A Nationwide Survey and Multicenter Registry-Based Database of Cerebral Autosomal Dominant Arteriopathy With Subcortical Infarcts and Leukoencephalopathy in Japan2020
Author(s)
Shindo A, Tabei KI, Taniguchi A, Nozaki H, Onodera O, Ueda A, Ando Y, Urabe T, Kimura K, Kitagawa K, Hanyu H, Hirano T, Wakita H, Fukuyama H, Kagimura T, Miyamoto Y, Takegami M, Saito S, Watanabe-Hosomi A, Mizuta I, Ihara M, Mizuno T, Tomimoto H. A
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Journal Title
Frontiers in Aging Neuroscience
Volume: 12
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 心房細動アブレーション治療後に出現するembolic microbleedsの検討2020
Author(s)
平田 佳寛, 加藤 奈津子, 村賀 香奈子, 新堂 晃大, 松浦 慶太, 伊井 裕一郎, 志賀 真理子, 田部井 賢一, 佐藤 正之, 藤田 聡, 香川 芳彦, 藤井 英太郎, 伊藤 正明, 海野 真記, 前田 正幸, 冨本 秀和
Organizer
第61回日本神経学会学術大会
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[Presentation] 軽度認知機能障害(MCI)患者における脳小血管病スコアと認知機能の検討2020
Author(s)
松田 佳奈, 伊井 裕一郎, 上田 有紀人, 田部井 賢一, 石川 英洋, 新堂 晃大, 松浦 慶太, 吉丸 公子, 谷口 彰, 加藤 奈津子, 田村 麻子, 伊藤 愛, 佐藤 正之, 冨本 秀和
Organizer
第61回日本神経学会学術大会
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[Presentation] 心房細動アブレーション後の微小脳塞栓と認知機能の前向き研究2020
Author(s)
加藤 奈津子, 村賀 香名子, 平田 佳寛, 新堂 晃大, 松浦 慶太, 伊井 裕一郎, 志賀 真理子, 田部井 賢一, 佐藤 正之, 藤田 聡, 香川 芳彦, 藤井 英太郎, 伊藤 正明, 海野 真記, 前田 正幸, 冨本 秀和
Organizer
第61回日本神経学会学術大会
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[Presentation] もの忘れ外来患者における認知機能と脳小血管病MRIスコアとの関連2020
Author(s)
松田 佳奈, 新堂 晃大, 伊井 裕一郎, 上田 有紀人, 田部井 賢一, 石川 英洋, 松浦 慶太, 吉丸 公子, 谷口 彰, 加藤 奈津子, 田村 麻子, 佐藤 正之, 冨本 秀和
Organizer
第38回日本神経治療学会
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[Presentation] 軽度認知機能障害(MCI)・軽度認知症患者の脳小血管病MRIスコアと認知機能との関連2020
Author(s)
松田 佳奈, 新堂 晃大, 伊井 裕一郎, 上田 有紀人, 田部井 賢一, 石川 英洋, 松浦 慶太, 吉丸 公子, 谷口 彰, 加藤 奈津子, 田村 麻子, 佐藤 正之, 冨本 秀和
Organizer
第39回日本認知症学会学術集会
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[Presentation] 本邦におけるCADASILの全国調査と多施設データベースの構築2020
Author(s)
新堂 晃大, 田部井 賢一, 谷口 彰, 小野寺 理, 安東 由喜雄, 卜部 貴夫, 北川 一夫, 羽生 春夫, 平野 照之, 脇田 英明, 福山 秀直, 鍵村 達夫, 宮本 恵宏, 竹上 未紗, 水田 依久子, 猪原 匡史, 水野 敏樹, 冨本 秀和
Organizer
第39回日本認知症学会学術集会
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[Presentation] 心房細動アブレーション治療における脳画像所見と認知機能の変化2020
Author(s)
加藤 奈津子, 村賀 香名子, 平田 佳寛, 新堂 晃大, 松浦 慶太, 伊井 裕一郎, 田部井 賢一, 志賀 真理子, 佐藤 正之, 藤田 聡, 香川 芳彦, 藤井 英太郎, 伊藤 正明, 海野 真記, 前田 正幸, 冨本 秀和
Organizer
第39回日本認知症学会学術集会
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