2020 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of waste plastic incineration on unintentional formation of organohalogen compounds
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20H04353
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤森 崇 京都大学, 工学研究科, 助教 (20583248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 祐一 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (40425731)
江口 哲史 千葉大学, 予防医学センター, 助教 (70595826)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プラスチック / 焼却 / 有機ハロゲン化合物 / 非意図的生成 / 影響評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、実際の廃棄物焼却を模擬することにより、廃プラスチックの焼却による有機ハロゲン化合物の非意図的生成に与える影響評価を目的とする。特に、ハロゲンフリーなプラスチックがハロゲン源および重金属などと共存した条件下での焼却試験を通じ、プラスチック種類別の系統的な知見を得ることを目指す。 本課題1年目は試料収集・調製、スクリーニング、焼却試験、定量分析に関わる項目をそれぞれ研究した。試料収集・調製に関して、適切な純度や一般的な性状を有しているプラスチックを収集した(PE、PP、PS、PET、PVC、PVDC)。磁化インパクターを備える凍結粉砕機を用いて、プラスチックの種類に応じて最適に粉砕した。また、TG-DTAによる熱物性評価などを行い、物理化学的特性に関わるデータを整備した。焼却試験に関して、対象とする模擬廃棄物の組成(プラスチック、ハロゲン源、重金属など)および運転条件(温度、滞留時間、反応ガス)から、評価に適切な組み合わせで焼却試験を行った。塩素源は、廃棄物に通常含まれる無機塩であるNaClを基本として用いた。重金属は、銅(Cu)を主に使用した。対象有機ハロゲン化合物(PCDD/Fs, PCBs, CBzs, PBDD/Fs, PBDEs, BBzs, Cl/Br-PAHs)およびPAHsを、分析法の検討・確立し、研究組織によるチームワークで定量分析し、定量可能な化合物に関する初期的なデータを得た。 プラスチック種類別での有機塩素化合物の発生量の評価、焼却残渣・付着物・排ガス成分別の分配挙動、同族体分布の比較など複数のデータ分析を実施し、一部の結果については学会発表などを行った。また、分担者によるCl/Br-PAHsに関する正確・迅速な定量分析方法に関する論文を発表した(Sei et al., 2021)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の2020年度ではあったものの、共同研究者と連携しつつ、初年度の目的を達成することができた。予定していた学会の延期・中止(環境化学会、Dioxin2020)など、成果発表の場が限定的ではあったが、中国での大規模なPOPs Forumでの基調講演などオンラインでの発表機会を活用した。また、Cl/Br-PAHsの正確・迅速な定量分析方法に関する論文を発表することができた(Sei et al., 2021)。
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Strategy for Future Research Activity |
対象とするプラスチックの種類について当初の予定より増やして研究を進める。現状では高強度なポリカーボネート(PC)やフッ素を含有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を候補として考えている。また、焼却方法に関して滞留時間を制御できる電気炉(制御炉)を導入し、より現実の廃棄物の焼却に近い条件で実験を展開する。
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Research Products
(8 results)