2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of air purification method using vacuum ultraviolet rays and ultrasonic waves regardless of the state and properties of air pollutants
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20H04361
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
関口 和彦 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50312921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二井 晋 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (90262865)
三小田 憲史 富山県立大学, 工学部, 助教 (80742064)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 真空紫外線 / エキシマランプ / トルエンガス / 照射時間 / オゾン / 分解生成物 / 超音波ミスト / 液柱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は当初の計画に基づき、真空紫外線(VUV)を近距離で導入ガスに照射できるエキシマランプを組み込んだ細管形状のVUV照射装置に加え、発生したオゾンならびに分解生成物を捕集する超音波ミスト発生反応器を作製した。これら反応器を用い、トルエンガスの除去率とオゾン発生濃度の測定、超音波ミストの最適発生条件の検討、分解生成物の生成と超音波ミストによる捕集傾向の確認を行った。 トルエンガスを10 ppm, 20 ppm, 40 ppmでVUV照射装置に1 L/minで導入した。濃度が増加するにつれてやや除去率は低下したが、2秒という照射(滞留)時間で50%程度の除去率を安定的に得ることができた。一方で、流量を2 L/minにすると除去率が20%まで低下したことから、VUV照射では十分な反応活性種が生成している一方で、濃度よりも照射時間に除去率が大きく依存することが明らかとなった。また、これら実験時に発生したオゾン濃度は約1,600ppmであり、この発生濃度は導入したトルエン濃度に反比例した。これらはトルエンと酸素の競争的な光分解によるものと考えられた。 超音波ミストは閾値をわずかに超えた投入電力で0.7 g/minの霧化量を示し、投入電力に比例して霧化量が増加した。また、水の表面と振動子の振動面の高さの変化させたところ、振動面上に形成される液柱高さが変化し、霧化量は液柱高さと相関関係を示した。液深さを2.7 cmとした場合に霧化量は大きくなり、さらに、霧化装置へのガス供給速度が大きい場合に霧化量が著しく増大する傾向を示したことから、蒸発と液柱表面近くの気体の更新により霧化は促進されることが明らかとなった。なお、トルエンガスへのVUV照射により生成した水溶性のガス状/粒子状の分解生成物は超音波ミストにより捕捉され、濃度は低減された。これら傾向の定量的な評価は次年度に実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はエキシマランプを組み込んだ細管形状のVUV照射装置に加え、発生したオゾンならびに分解生成物を捕集する超音波ミスト発生反応器を作製し、それぞれの性能評価を当初の計画通り実施できた。また、分解生成物の超音波ミストによる捕捉傾向の確認も行えた。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、反応器の納期が遅れたことから分解生成物の捕集については傾向の確認のみとなったが、並行して次年度実施予定の粒子状物質に対するVUV照射の効果確認のための実験用反応器の作製に着手し、次年度に効果的に実験が進められるよう配慮した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は1年目にやり残した分解生成物とオゾンの捕捉と分解に関する実験を定量的に進めるとともに、当初の計画通り、モデル粒子状物質の検討とその発生手法の確立、さらにVUV照射が粒子状物質に与える効果を確認する。また連続的な高濃度O3の処理を目指し、オゾン分解触媒などの固体粒子を混合した系においてO3分解実験を行う。その上で、トルエンガスと粒子状物質からの分解生成物を比較し、VUV照射が与える効果について化学構造を踏まえ検証する。
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