2021 Fiscal Year Annual Research Report
固体腐植の細胞外電子供与を利用する酢酸生成微生物の新規な二酸化炭素固定化機構
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20H04363
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片山 新太 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (60185808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 拓哉 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (00833831)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 固体腐植ヒューミン / 非光合成型二酸化炭素固定 / 細胞外電子伝達 / 酢酸生成微生物 / メタン生成微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
非光合成嫌気性微生物である酢酸生成微生物による二酸化炭素から酢酸への還元は、高密度化が可能な点から二酸化炭素固定化技術として有望視されているが、水素供給が不可欠である点が省エネルギー上の課題となってきた。本申請者らは、腐植物質の中で酸アルカリに不溶な固体腐植ヒューミンを唯一の細胞外電子供与体として酢酸生成微生物群による二酸化炭素還元(=酢酸生成)に成功した。過去、外部水素供給無しで酢酸生成微生物が二酸化炭素から酢酸生成した例は知られていない。そこで、この固体腐植ヒューミンを電子供与体とする酢酸生成微生物の細胞外電子伝達と二酸化炭素還元機構を解明することを目的として研究を実施した。 研究計画2年目にあたる2021年度では、嫌気性酢酸生成微生物の分離株を微生物保存機関から購入して、分離株が固体腐植ヒューミンを電子供与体として利用できるかどうかを調べたところ、ファーミキューテス門に属するムーレラ属細菌等に、電子供与体として水素よりも還元型固体腐植ヒューミンを優先的に利用して酢酸生成する細菌がみられることが明らかとなった。また電気培養により、二酸化炭素固定-酢酸生成反応が進むために必要な固体腐植ヒューミンの電位を明らかにした。また、固体腐植ヒューミンの電気化学測定および化学的構造解析から、イオウを含む酸化還元官能基が、固体腐植ヒューミンの細胞外電子伝達能に関与していることを明らかにするとともに、ナイキストプロットのカーブフィッティングから等価回路を推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年目である令和3年度に実施予定の(A)固体腐植ヒューミンを電子供与体とする酢酸生成微生物の特定に成功するとともに、(B)固体腐植ヒューミンを電子供与体として二酸化炭素還元-酢酸生成する際に必要とされる酸化還元レベルを明らかにするとともに、(C)固体腐植ヒューミンの電気化学的特性解析を行って、固体腐植ヒューミンの電気化学特性を示す等価回路の提案を実施できたため
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子解析用の酢酸生成微生物を選抜し、固体腐植ヒューミンの細胞外電子を利用して、二酸化炭素還元-酢酸固定反応ができる酢酸微生物の培養条件を明らかにする。培養条件ごとのWood-Ljundahl 経路の遺伝子発現解析系を構築し、培養条件の効果を明らかにする。また、固体腐植ヒューミンおよびモデル化合物を用いた電気化学的解析及び化学構造解析から、固体腐植ヒューミンに形成される酸化還元に関与する官能基を推定する。
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