2020 Fiscal Year Annual Research Report
低温・低エネルギー密度の熱源で動作する音波エンジンの開発
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20H04383
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
琵琶 哲志 東北大学, 工学研究科, 教授 (50314034)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 熱音響自励振動 / スターリングエンジン / 外燃機関 / 音響振動 / エネルギー変換 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ループ管とフライホイールを接続したエンジンの試作を行なった．試作機はループ内に挿入した蓄熱器の一端を室温に保ったまま，他端を245度Cまで加熱することで，定常回転を行うことがわかった．温度差をさらに上昇すると，回転周波数は単調に増加した．この装置において温度勾配のある蓄熱器による音響パワーの変化を明らかにするために，ループ管内の作動気体の圧力変動と流速変動を同時計測した．その結果，温度勾配による音響パワー増幅が確認された.これは本装置が本質的にスターリングエンジンとして動作することを表す実験的証拠である．したがって本試作機により，機械式スターリングエンジンの固体ディスプレーサーを気柱振動で置き換えることに成功したと言える．また熱音響系の基礎方程式とフライホイールの運動方程式を組み合わせた実験装置全体の数理モデルを提案し，数値的に実験結果が再現されることを確認した．この結果は今後の応用展開を図る上で有益な結果である.
また液体ピストンエンジンでは，永久磁石をマウントしたフロートを液柱部分に挿入し，その外側にボイスコイルを設置することで，電磁誘導による発電を実証した．加えて，これまでの研究成果をもとに液体ピストンエンジンを設計する指針をまとめるに至った．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フライホイールを接続した熱音響エンジンの開発と数理モデルの構築に成功した．これは当初予定していた成果であり，順調に進展している．
また液体ピストンエンジンでは，電磁誘導による発電の可能性を実証できたこと，また設計指針を確立できた．後者の結果を投稿論文にまとめているところである．さらに，Fluidyne型液体ピストンスターリングエンジンでは，基礎モデルに基づいて固有モードを同定し，スターリングエンジンとして動作するための本質的パラメータを見出すに至った．この成果についても論文投稿を予定している．
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| Strategy for Future Research Activity |
（1）フライホイールを接続した熱音響エンジンでは，数理モデルを数値的に解いて実験と比較を行なった段階である．今後は，数理モデルに対して合理的な近似を導入し，系を物理的に理解するための本質的パラメータを抽出するとともに，それに基づいて装置の動作特性の向上を図る．
（2）液体ピストンエンジンでは，確立した設計指針に基づいてスケールアップした装置作成を行う．数値シミュレーションの結果と実験結果を比較しながら，実用サイズまでのスケールアップに必要な課題を明らかにする．
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