2020 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement of food environment based on local biocultural diversity in rural communities of Japan
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20H04397
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
古川 拓哉 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40772116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 俊也 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00575277)
鹿内 彩子 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (20758825)
小柳 知代 東京学芸大学, 環境教育研究センター, 准教授 (80634261)
関山 牧子 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (90396896)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食環境 / 生物文化多様性 / 山菜 / 木の実 / 郷土料理 / 伝統的知識 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の農山村では、過疎・高齢化、公共交通網の縮小、食料品店の撤退などだけでなく、伝統的食文化とそれを支える生物文化多様性の消失など、個人の食料・栄養摂取に影響する外的要因である「食環境」が大きく変化している。しかし、農山村特有の食環境と食料・栄養摂取の関係はほとんど解明されていない。そこで、本課題では、東日本の農山村を対象に、食環境が食料・栄養摂取に与える影響を明らかにし、生物文化多様性の継承を通した食環境の改善モデルの提案を目的に研究を実施する。 本年度は、一つ目の研究対象地として福島県の山村部を選定し、現地関係者との協議を通して研究協力体制の構築を進めた。さらに、同地域の伝統的な食文化において利用される野生食材に関する資料から山菜、木の実、薬草、きのこに関するインベントリを作成した。これを現地のキーインフォーマントを対象とした聞き取り調査結果と照らし合わせて、戦中戦後以降の野生食材の利用年表を作成した。また、郷土料理を題材とした環境教育と食育に関する和文誌論文のレビューを行い、栄養学や家政学、食育学、農学、環境学、環境教育学などの各分野における学習目標や着眼点の違いについて整理した。 また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、計画していた予備調査を中止しただけでなく、対面聞き取り調査がしばらく困難になる可能性が浮上したことから、アンケートやウェブアプリなどを用いた代替調査手法への切り替えについて検討を行った。また、計画を一部変更し、食事調査の栄養分析の精度向上を目的に、野生の木の実の栄養成分分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大による行動制限のため、調査地の選定や現地協力者との関係構築が計画通り進められない状況が続いた関係で、調査地の選定は1箇所に留まった。また、申請時に計画していた対面聞き取り調査がしばらく困難になる可能性が浮上したことから、アンケートやウェブアプリなどを用いた代替調査手法への切り替えの必要が生じた関係で、現地調査の開始が当初計画よりも遅れる見込みとなった。これを受けて一部計画を変更し、農山村における食事調査の栄養分析の精度向上を目的に、木の実の栄養成分分析を代わりに実施した。このため、全体的な進捗状況について「やや遅れている」と位置づけた。
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Strategy for Future Research Activity |
2箇所目となる調査地を選定し、現地関係者との協議を通して協力関係を構築する。福島県の調査地において利用される野生食材を対象とした知識の保有状況に関する世代別の調査を行う。また、コロナ禍への対応として、非対面型の食事調査手法の検討を行う。
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Research Products
(3 results)