2020 Fiscal Year Annual Research Report
Why do certain regions and populations differ in transmission of the same species of human and non-human primate malaria parasites?
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20H04411
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
前野 芳正 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 客員教授 (70131191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 岳 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00455916)
高木 秀和 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (90288522)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マラリア / サルマラリア / 人獣共通感染 / 疫学調査 / 分子生物学的解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は新型コロナウイルスのため調査地への渡航が不可能となり、現地調査が実施できなかった。そのため渡航不可となった直前に実施できた予備調査の各種調査資料の解析を進めた。 1.調査対象地の一つであるマレーシア、サバ州のマラリア感染状況について。サンプルはサバ州、Kudat地区とRanau地区において採集したヒト血液サンプル。2つの調査地区は地理的な違いがあり、Kudatは海岸に近く、漁師や農民が多い。一方、Ranauは内陸で標高が高く、住民の多くは農民であった。調査及びサンプル解析の結果、以下の結果を得た。① 年間のPlasmodium knowlesi (以下Pk)感染者数をKudatとRanauで比較すると、Ranauの方が多い傾向にあった。② 両調査地とも、Pk感染者の多くは13歳以上であり、患者の多くは男性であった。③ Ranauにおける2019年のPk感染場所は主として森林周辺であり、次いで森林内、村内であった。④ いずれの場所でも、Pk感染者のほとんどの職業は農民であった。⑤ Ranauでは、Pk感染者の5~7%が脳マラリアなどの重症例で、死亡例も小数例あった。⑥ 両調査地ともヒトマラリア感染の患者はなく、Pk単独感染の患者だけであった。 2.Ranauと同じような自然環境を持ったベトナム北部のLai Chau省を比較対象地と設定した。ベトナムも渡航が不可能となった直前のヒト末梢血サンプルの解析を行った。Lai Chau省では2017年以前ではマラリア感染者は0であったが、2017年、2018年に数例の三日熱マラリア患者が数名認められた。しかし、2019年サンプルを解析すると、56例の三日熱マラリア患者を見出した。しかし、Pkを含む他のマラリア感染は認められなかった。 以上の解析結果を得、詳細な解析に進むヒントを得、早期に現地調査が可能なりしだい調査を再開する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスのパンデミックにより、本課題の調査対象地であるマレーシア及びベトナムの両国への渡航が不可能になった。そのため、現地調査が実施不可能になった。かつ、現地研究協力者らもそれぞれの国内でロックダウンとなり、調査地での活動が実施できなかった。以上の理由により課題の遂行が遅れた。そのため、今後の調査準備として下記の事項を行った。 1.渡航不可になる直前に調査対象両国において実施した予備疫学調査で得たサンプルの解析および聞き取り調査の解析を進めた。 2.マレーシアにおけるマラリア感染種の同定に1週間近くかかるため、診断、治療に遅れが出ている。そのため、ベッドサイドでできる新規の簡便で特異性が高いマラリア検査法の開発に着手した。 3.ドローンによる媒介蚊の行動調査、マラリア伝播の場所を特定などを解析するための方法の開発を進めた。 4.今回の申請課題遂行にあたり、マレーシア及びベトナムにおける研究協力機関であるマレーシアサバ大学(Universiti Malaysia Sabah)、ベトナム国立マラリア寄生虫学昆虫学研究所 (National Institute of Malariology, Parasitology and Entomology, NIMPE)との共同研究としての了解を得、両機関及び長崎大学で倫理申請をし、許可を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は新型コロナウイルスのため調査地への渡航が不可能となり、現地調査ができなかった。そのため渡航不可となった直前にできた予備調査の各種資料の解析や検査法の開発を実施した。2022年度は最初に資料解析結果から得られた問題系の整理を行う。 2022年度も現地調査が実施できる期間が短いと予想されるため、調査を開始する前に各種結果を整理、統合し、解析結果を分類、整理することによる研究準備態勢を進め、確度の高い人文学的資料の収集、多面的な解析への基盤とする。次にこれまでの疫学調査の解析結果から得ている「森林活動と感染に濃厚な関連がある」という仮説を提示し、本研究代表者、分担者の他、文化人類学的調査を行っている研究者から本調査に関する助言を求め、文化人類学的問題点の検証と調査計画の検討をし、より的確な住民調査項目の選定を行う。 国内における疫学調査の準備として、マラリア原虫の感染・伝播が起きている場所の特定を効率的に進めるべく、ドローンを用いた媒介蚊の 繁殖場所の検出効率を高める実験を行う。分子疫学調査においては、簡易で特異性の高い検出方法の確立を行う。 現地調査では以下のように実施する。 研究代表者は現地共同研究者(チン准教授・カムルディン教授)と共にActive case detection (ACD)を行う。また同時に調査地区にある地域保健所などの協力を得てPassive case detection (PCD)を行う。以上の調査準備を行い、以下の各点について重点的な資料の収集を行う。取集した資料は検討対象とした二つの地域のマラリア感染特性を理解するための基盤資料となる。
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Research Products
(2 results)