2020 Fiscal Year Annual Research Report
Psychological Effects of Tourism
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20H04444
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
小口 孝司 立教大学, 現代心理学部, 教授 (70221851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 靖雄 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (60302535)
花井 友美 帝京大学, 経済学部, 准教授 (70634525)
川久保 惇 埼玉学園大学, 人間学部, 准教授 (80816116)
浦川 邦夫 九州大学, 経済学研究院, 教授 (90452482)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 観光心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度、3年度は、コロナ禍のため、当初予定していた海外研究者との対面での交流ができない状態になってしまった。それゆえ、当初予定していた当該プログラムを断念せざるを得なかった。一方、主として国内の観光を対象として、研究を進めていくことができた。 令和2年度においては、ツーリズムが主観的幸福感にどのような心理的効果をもたらすのかを検討し、旅の想起が大きく関わっていることを明らかにした論文を纏め、国際研究誌に掲載された。さらに、旅の効果として、大学生を対象にした研修旅行に注目した研究成果を纏め、学会発表をすると共に、論文化し学術雑誌において公表された。加えて、コロナ禍におけるツーリズムの方向性に関する論文も著名な海外学術雑誌に掲載された。また、著名なホテルチェーンのホームページにおいて、ホテルチェーンの代表者と研究代表者との対談が掲載され、本研究に関わる内容が広く一般に知られるようになった。 令和3年度は、特にコロナ禍において注目されているマイクロツーリズムについて、心理学的な視点から研究を行った。その研究成果の学会発表を行い、さらに学術論文として公刊することができた。同時に、コロナ禍におけるツーリズムの動向についての考察を行った論文が、著名な海外学術雑誌に掲載された。また家族旅行を対象にした研究についても、Tourismにおける3大雑誌の一つであり、当該年度においては最高峰とされているTourism Managementに論文が掲載された。さらに、ツーリズムにおけるセイバリングについても別のTourismの3大雑誌の一つに投稿して、現在審査が進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため、当初予定されていた海外研究者との交流、ならびに海外国際学会への参加ができなくなってしまった。さらに第一の候補者であり、Tourism Psychologyにおける世界No. 1の研究者であるPhilipe Pearce教授が突然逝去されてしまった。また、Positive Psychologyにおける権威であるBryant教授はご高齢のために、コロナが流行している現状においては万一罹患した場合、重症化の可能性が高いため、往来が極めて困難となってしまった。こうしたことから国際交流研究を進展させることが極めて難しくなってしまった。 しかしながら、国内を対象にした研究は順調に進み、その研究成果をまとめ、発表することができた。さらに、コロナ禍という現在の状況を捉えて、その特殊な状況下におけるツーリズムの心理学的要因を考慮した旅行研究を展開し、論文としても公刊することができた。 以上総括すると、標記の進捗状況であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
海外研究者との交流が極めて厳しい状況であったため、焦点を国内のツーリズムに当て、さらにコロナ禍におけるツーリズム(特に、マイクロツーリズム)の効果を心理学的に検討するという新たなサブテーマを設けて取り組んできた。今後コロナ禍が沈静化し、国際交流研究を展開させることが可能になることを願っている。しかしながら、万が一そのような研究を展開できないことになっても、所与の状況下で最大限の研究成果を上げられるように、様々なネットワークを構築していくことにより、柔軟な対応を図っていきたいと考えている。特に、令和4年度においては、研究代表者はツーリズム研究が世界で最も盛んだとされている香港理工大学に客員教授として滞在する予定であり、そこでも新たなネットワークを作り、数多くの研究の成果を上げている多くの研究者との交流を図り、柔軟に対応をしていく予定である。また、ツーリズムにおけるセイバリングについても研究を進め、令和4年度中には論文掲載が確定する予定である。この研究を加速するため、新たに研究分担者を加えた。また、ツーリズムにおけるディープニングについては、新たな研究協力者を得ており、令和4年度に調査を共同で実施して、順次調査結果を発表していく予定である。
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Research Products
(15 results)