2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the underlying technology for realization of energy saving, high intensity compact accelerator with 30 % energy efficiency for RI production
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20H04454
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福田 光宏 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (60370467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 政夫 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (20791792)
倉島 俊 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線高度利用施設部, 課長 (50370391)
涌井 崇志 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 物理工学部, 室長(定常) (70359644)
伊藤 正俊 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (30400435)
松田 洋平 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50569043)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サイクロトロン / イオン源 / エネルギー効率 / 空間電荷効果 / 高温超伝導コイル / 超伝導加速空洞 / 永久磁石 / 荷電変換フォイル |
Outline of Annual Research Achievements |
RCNPにおける正イオン源開発においては、数10~100mA級のビーム強度を目指した要素技術開発として高温超伝導REBCO線材を用いたECRイオン源の概念設計を行い、軸方向と径方向の閉じ込めを担う円形ミラーコイルとレーストラック型六極コイルをそれぞれ製作し,液体窒素温度77Kにてコイル単体の性能試験を実施して健全性と再現性を確認した。 負イオン源開発においては、東北大CYRICと住友重機械工業の共同開発により体積生成型マルチカスプイオン源を製作し,数10mA/cm2級の電流密度と数pi mm・mrad以下の規格化エミッタンスを有する負イオンビーム生成試験に着手した。 量研高崎研のサイクロトロンを用いてイオン源から取り出されたイオンビームの位相空間内の粒子密度分布が集束レンズと空間電荷効果によって変化する様子を短時間で診断・解析し、入射ビーム輸送系のパラメーターを最適化してサイクロトロンの中心領域のアクセプタンスと迅速にマッチングさせる制御法の開発を進展させた。 量研量医研におけるビーム引出系の開発においては、荷電変換フォイル領域の磁場を制御することにより数10 mA級のビーム強度においても炭素薄膜の寿命を格段に延ばしうる小型コイル電磁石等を詳細設計に着手した。 RCNPにおけるエネルギー効率を向上させる要素技術開発では、分離セクター型リングサイクロトロン電磁石の側ヨークに永久磁石を導入して電磁石の完全電力フリー化を実現するための磁場解析を実施した。また、加速空洞の省電力化を図る方策としてサイクロトロンの共振空洞を超伝導化する場合の技術的課題を明らかにし,外部磁場の侵入防止策,超伝導空洞の断熱・冷却仕様,高温超伝導材MgB2を利用した場合の空洞構造設計などについて詳細検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
30%以上の高エネルギー効率の実現を目指した要素技術開発としてイオン源,ビーム入射系,ビーム引き出し系,サイクロトロン本体磁石及び加速空洞などの開発に着手し,当初の研究計画に沿って着実に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
正イオン源開発においては、REBCO線材を用いた2.45GHz及び10GHzのECRイオン源を開発するため、ミラーコイルとレーストラック型六極コイルの単体性能試験を極低温下で実施する。さらに,コイルを複数組み合わせた励磁試験に着手する。また、負イオン源開発においては、数10mA/cm2級の電流密度と数pi mm・mrad以下の規格化エミッタンスを有する負イオンビームを生成するため、東北大CYRICと共同研究を行う住友重機械工業(株)の協力を得ながらセシウムを用いた体積生成型マルチカスプイオン源の製作を引き続き進める。 ビーム入射系開発においては、量研高崎研のサイクロトロンを用いてイオン源から取り出されたイオンビームの位相空間内の粒子密度分布が集束レンズと空間電荷効果によって変化する様子を短時間で診断・解析し、入射ビーム輸送系のパラメーターを最適化してサイクロトロンの中心領域のアクセプタンスと迅速にマッチングさせる制御法を引き続き開発する。ビーム引出系の開発においては、高温超電導コイルなどを用いて荷電変換フォイル領域の磁場をほぼゼロにし、さらに電子をフォイルから逃がすような電磁場形成法を検討し,剥離電子除去用小型コイル電磁石等の設計・試作に着手する。エネルギー効率を向上させる要素技術開発として、分離セクター型リングサイクロトロン電磁石の側ヨークに永久磁石を導入して電磁石の完全電力フリー化を実現するための設計を行い,それをダウンスケールした小型モデル電磁石の設計を実施する。また、加速空洞の省電力化を図る方策としてサイクロトロンの共振空洞の超伝導化の課題を明らかにし、加速空洞領域への漏洩磁束の遮蔽方法の検討や固定周波数型超伝導加速空洞の設計などを具体化する。
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Research Products
(16 results)