2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research and development of a neutron microscope for investigation of magnetic structure
Project/Area Number |
20H04457
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
曽山 和彦 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (90343912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 洋寿 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 中性子科学センター, 副主任研究員 (50444477)
山村 和也 大阪大学, 工学研究科, 教授 (60240074)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中性子顕微鏡 / スーパーミラー / Wolterミラー / プラズマCVM / レプリカ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、レプリカ法で製作した高精度回転非球面多層膜スーパーミラーと、高分解能2次元検出器を組み合わせた中性子顕微鏡システムを構築し、偏極中性子を用いた物質深部磁気イメージングを目的としている。令和2年度は、まず、RayTrace法による拡大率12.5倍のWolterI型ミラー光学系の詳細設計を行い、顕微鏡の空間分解能としてマイクロメートルを達成するためには、ミラー光学系の形状精度としてサブミクロンオーダーが必要であることを示した。 レプリカ用マンドレルの製作には、プラズマCVM加工法を採用することとし、その際課題である加工後に残る反応堆積物等を除去する方法として、流体ジェット研磨システムを提案したが、流体ジェットにより合成石英マンドレルの先端部細管に破損が生じることが判明した。研究遂行上、高精度の顕微鏡を製作するためには、マンドレルの表面に堆積する反応堆積物を除去し、スーパーミラーの反射率を確保することが不可欠であるため、加工時の温度やガス条件などをパラメータとして再検討した結果、O2ガスを導入することにより、反応堆積物を減少させ表面粗さを低減できることを明らかにした。 偏極中性子を用いた中性子顕微鏡用ビームラインの整備では、試料自動ステージ、中性子スピン干渉イメージング法による測定のための磁場制御用機器等の整備を進めた。高分解能2次元中性子検出器については、ズーミング管検出器(浜松ホトニクス製)で使用する中性子-光電子変換面(Gd+CsI)の製作を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画で、レプリカ用高精度マンドレルの製作には、プラズマCVM加工法を採用することとし、その際課題である加工後に残る反応堆積物等を除去する方法として、流体ジェット研磨システムを提案したが、流体ジェットにより合成石英マンドレルの先端部細管に破損が生じることが判明した。そのため、プラズマCVM加工法において、表面に堆積する反応堆積物を除去する方法を、プラズマ加工条件を変更することにより除去する方針に変更し、そのための加工時の温度やガス条件などをパラメータとして検討を行った。その結果、O2ガスを導入することにより、表面粗さを低減できることを明らかにし、サブミクロンオーダーの形状精度を有する実機製作の見通しを得た。これらの結果、実機製作は予定より遅れ、令和3年度に行うこととなり、中性子による特性評価もビームライム申請に間に合わず延期となった。これらのことから、現在の進捗状況は、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
高精度レプリカの作製方法には、変更が生じたものの、加工時にO2ガスを導入することにより、表面粗さを低減できることが明らかとなり、目標仕様のWolterI型ミラー用のレプリカを作製できる見通しを得た。令和3年度は、本研究で見出したパラメータを利用し、計画通りにサブミクロンの形状精度を有するレプリカの製作を進め、中性子顕微鏡の開発を進める。
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Research Products
(2 results)