2022 Fiscal Year Annual Research Report
複合環境下リアルタイムナノ空間構造計測システムの開発と構造可視化
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20H04466
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
河口 彰吾 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, 主幹研究員 (10749972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 沙織 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, 主幹研究員 (00773011)
久保田 佳基 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (50254371)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射光粉末X線回折 / 時間分解計測 / その場構造計測 / ガス雰囲気下 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、複合試料環境下かつ高エネルギーX線を利用したリアルタイム粉末構造計測システムの開発を目的としている。本課題では、高エネルギーX線を利用し広い逆空間を一度に撮像可能な計測環境を開発し、1秒以下の短時間でもガス雰囲気下時間分解高精度粉末回折データを取得可能とするとともに、温度不安定性による吸着構造の揺らぎによる効果を検証するための試料環境制御技術を確立することである。今年度は、これまで開発を行ってきた試料環境周りと計測システムを完成形へと進め、多孔性金属錯体のアルゴンや二酸化炭素のガス吸着過程に関して、ガス圧力や温度を変化させながら系統的な実験を行った。その結果、多孔性金属錯体の細孔サイズに対して、サブ秒オーダーで吸着構造へ変化する場合と、数十秒変化に時間を要する場合など、吸着過程において構造変化の振る舞いが明確に異なることが観測された。吸着構造への変化に数十秒時間要するCO2吸着過程においては、結晶構造解析や速度論を用いた解析から、その骨格構造の推定を行い、吸着過程における構造ダイナミクスに関して明らかにした。この成果は学術論文として出版された。さらに、本課題で開発した計測システムを挿入光源ビームラインに持ち込み、FPDや二次元検出器を利用しテストした結果、これまで以上の高精度な粉末回折データが得られると期待された。また、今回の研究課題で得られた他の成果の順次学術論文として執筆する予定であるとともに、本課題で開発された計測システムおよび解析手法に関しては、幾つかの共同研究に発展しており、本課題で得られた知見をもとに、今後も継続的に計測システムを改良し、より高精度かつ高い時間分解能で構造ダイナミクスを計測できるシステムを開発する予定である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(21 results)