2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation and modeling of embodiment learning process with body editing method
Project/Area Number |
20H04489
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
北崎 充晃 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90292739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 徳 富山大学, 学術研究部教育学系, 教授 (00422626)
薬師神 玲子 青山学院大学, 教育人間科学部, 教授 (30302441)
板倉 昭二 同志社大学, 研究開発推進機構, 教授 (50211735)
上田 祥代 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50771911)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 身体性認知 / 身体所有感 / 行為主体感 / クロスモーダル一致効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
バーチャルリアリティやロボティックスが一般的となってきた現代、私たちの身体はいかようにも変えることが可能である。そこでそれを身体編集と名付け、新しい身体の獲得過程を心理物理実験によって明らかにすることを目的に研究を行っている。 身体獲得過程の検討のために利用可能性を検討している「クロスモーダル一致効果」について、身体性成立の限界条件との関係を検討した。バーチャル空間に配置した静止した全身アバタがバーチャルな鏡に映っている条件と鏡のみでアバタがない条件を比較したところ、いずれの条件でも視覚・触覚刺激がともに左右いずれかに提示されたときにクロスモーダル一致効果が増強した。一方、アバタを提示せずにバーチャルな鏡のありなしを操作すると、鏡がないときにはクロスモーダル一致効果の身体増強効果は消失した。また、アバターを提示して、バーチャルな鏡のありなしを操作したところ、いずれの条件でも身体増強効果が見られた。このことから、クロスモーダル一致効果は、鏡のみで誘発される原始的な身体性や他者の身体性の影響も受けることが示唆された。新しい行動指標として、視覚的視点取得を検討して、身体性が生じない不可能身体では可能身体よりも成績が低下することを示した。 また、手足のみ刺激によるアバタの歩行運動を提示し、足裏に歩行時のリズミカルな振動を提示することで静止観察者に歩行感覚を誘発出来ることを示した。手足のみ刺激は全身アバタよりも効果は小さかったが、アバタを提示しない条件と比較すると有意な歩行感覚の向上を示した。不可能身体の獲得について、感染症蔓延下でも遠隔で実験ができようにバーチャルリアリティソーシャルネットワークサービスを活用した実験環境の構築を検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
例数設計に基づき十分な人数の実験参加者を対象として、クロスモーダル一致効果と身体性の限界条件との関係を明らかにする実験を完遂した。さらなる指標の基礎検討として行った身体近傍空間での聴覚刺激による触覚検出促進効果に関する論文を発表した。新しい行動指標の可能性として、視覚的視点取得課題を開発し、不可能身体を用いて検討し、論文として発表した。 身体性編集の可能性として、手足のみ刺激を用いて視野を損なわずにバーチャル歩行感覚を誘発出来ることを示し、論文として発表した。 感染症蔓延下でも遠隔で実験できる環境を構築し、検証したことにより、身体性獲得過程の検討が健康衛生や社会情勢の影響を受けずに行えるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
万全の感染症対策のもと、実験・研究を推進する。特に、本研究課題で開発したオンラインでの全身運動を伴う実験系を今後も活用する。
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