2020 Fiscal Year Annual Research Report
視聴覚統合機能と概念獲得機能の統一モデルの提唱:神経制約計算機モデルを用いて
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20H04494
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
上野 泰治 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (20748967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 章浩 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (80396530)
石橋 遼 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (90750266)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マガーク効果 / 視聴覚相互作用 / 意味記憶 / ニューラルネットワーク / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで日本で用いられていたマガーク効果実験プロトコルを用い、視聴覚統合機能に重要な脳部位を推定する研究を実施した。特に、これまでのfMRI研究で調べることのできなかった脳部位(前部側頭葉)の役割を調べるための技術を適用し、視聴覚統合における前部側頭葉の役割を検討した。まず、マガーク効果検出のために重要となる刺激を作成した。その後、通常であればfMRIによる脳計測が難しい前部側頭葉の役割を検討するための技術を適用した。2020年度は約30名の実験参加者の脳活動を測定した結果、通常のsubtraction法(マガーク条件とマガーク無し条件)を比較した場合には、前部側頭葉の活性化は確認されなかった。また、これまで英語圏において確認されていた、後部上側頭回における活性化も確認されなかった。このことは新しい発見であり、日本においてマガーク効果が頑健に再現されないことがある、という現象を説明できる可能性を示している。なお、当該年度は1月に繰り越しが必要な事由が発生したため、翌年の6月までかけてこの計画を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
繰り越し事由の発生により、その段階においては予定していた脳計測実験が実施できなかったものの、翌年度の6月までに予定していた脳計測実験を実施することが出来た。よって、当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の結果は、前部側頭葉での活性化は見いだせなかったものの、これまで英語圏に置いて確認されていた後部上側頭回における活性化も見いだせなかった。これを踏まえ、今後は、通常のsubtraction method (マガーク条件とマガーク無し条件の差を見る分析)のみならず、multi-voxel pattern analysisという方法を使って、前部側頭葉や後部上側頭回の働きを検討することを行っていく。また、翌年度は、元々計画していたTMS(経頭蓋磁気刺激法)を用いて、脳刺激実験を行っていく。
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Research Products
(1 results)