2021 Fiscal Year Annual Research Report
視聴覚統合機能と概念獲得機能の統一モデルの提唱:神経制約計算機モデルを用いて
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20H04494
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
上野 泰治 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (20748967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 章浩 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (80396530)
石橋 遼 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (90750266)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マガーク効果 / 視聴覚相互作用 / 意味記憶 / fMRI / TMS |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、視聴覚統合機能を前部側頭葉が支えるかどうかという問いを2つの方法で検証することを行った。一つは、fMRIを用いて取得した結果を、representative searchlight analysis(RSA)という手法で分析することであった。もう一つは、TMS(経頭蓋磁気刺激法)という方法を用いて、前部側頭葉を刺激することで、視聴覚統合機能における前部側頭葉の働きを見出すことであった。 一つ目のRSAという分析は、「もし、脳部位Aが機能Xに重要であるならば、機能Xが必要な課題を行っている最中に脳部位Aが活性化するだけではない。それだけではなく、機能Xが必要な課題で使用している刺激(画像・音声など)の類似性によって、脳部位Aの活動パタンの類似性も同様に変化するはずだ」という前提で行う分析である。これを本研究に当てはめると、もし、前部側頭葉が視聴覚統合機能に重要であるならば、前部側頭葉の活性化パタンは、「どのような音声に聞こえたか?」という反応パタンの類似性と正の相関をもつはずである。結果、側頭極のあたりで、「どのような音声に聞こえたか」という「知覚音」と正の相関をもつ活性化パタンを確認することが出来た。これは、前部側頭葉が視聴覚統合機能に重要な機能をもつことを示す初めての知見であり、意味機能の認知モデルと視聴覚統合機能の認知モデルが出来ることを示していると言える。2つ目の磁気刺激を用いた研究は、本務校の仕事の負荷が大きく、十分なデータを集めることが出来なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本務校の仕事の負荷が大きく、2021年度に予定していた磁気刺激実験のデータを十分に集めることが出来なかった。しかしながら、fMRIデータの解析においては、RSA分析を実施することで当初の研究計画よりも先に進めることが出来、研究の進捗状況を大きく進めることが出来た。よって、総合的評価として、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
fMRIを用いて取得したデータの解析並びに論文執筆を進めていく。また、脳刺激実験のデータ取得を終え、こちらも論文執筆を開始していく。
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Research Products
(1 results)