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2022 Fiscal Year Annual Research Report

視聴覚統合機能と概念獲得機能の統一モデルの提唱:神経制約計算機モデルを用いて

Research Project

Project/Area Number 20H04494
Research InstitutionTokyo Woman's Christian University

Principal Investigator

上野 泰治  東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (20748967)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 章浩  東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (80396530)
石橋 遼  国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 研究員 (90750266)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords経頭蓋磁気刺激法 / 視聴覚統合 / マガーク効果 / fMRI
Outline of Annual Research Achievements

2022年度は、視聴覚統合機能を前部側頭葉が支えるかどうかという問いをTMS(経頭蓋磁気刺激法)という方法を用いて検討した。前年度に引き続いてデータを集めた結果、左脳の前部側頭葉を刺激してもマガーク効果生起率に変化はなく、視聴覚統合機能に影響を与えるという結果は得られなかった。さらに、これまで視聴覚統合の分野でコンセンサスとされていた左脳の後部上側頭溝すら、刺激してもマガーク効果生起率に変化は見られなかった。このことは過去の研究と大きく結果が異なるものの、当グループが昨年度に収集したfMRI研究の結果(差分法に基づく結果)とも一貫するものであった。このことをさらに検証するために、もう一度TMSを用いた実験を実施し、左脳の後部上側頭溝への刺激がマガーク効果生起率に与える影響について検討した。結果、やはり左脳の後部上側頭溝はマガーク効果に代表される視聴覚統合機能に影響を与えていないという結果が得られた。なお、左脳への刺激の効果を右脳の同部位が補償している可能性が考えられたため、繰越申請を行って、翌年に右脳の同部位を刺激した実験も実施した。やはり、視聴覚統合における後部上側頭溝の役割は示唆されなかった。
次に、前年度に実施したrepresentative searchlight analysis(RSA)という手法でfMRIデータを分析した研究について、さらなる進捗があった。昨年度は側頭極のあたりで、「どのような音声に聞こえたか」という「知覚音」と正の相関をもつ活性化パタンを確認することが出来た。今年度は、この分析を用いた結果、後部上側頭溝の活性化パタンは知覚音と正の相関を持たないという結論が得られた。これは、後部上側頭溝が視聴覚統合を支えているという先行研究のコンセンサスと整合性の無い結果であり、前段落の脳刺激研究結果と同様に、過去の知見の再解釈を示唆する研究結果となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本務校の仕事の負荷が高かったために2021年度に完了できなかった脳刺激法の実験を遂行することが出来たことと、研究分担者の積極的な協力によりfMRIの表象類似分析(RSA)を実施することが出来たことは、計画としては順調であった。しかし、2021年度に引き続いて本務校の仕事の負荷が高く、論文執筆の時間を期待していたよりも取ることが出来なかった。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究結果は、視聴覚統合における後部上側頭溝の役割を一貫して支持していなかった。このことは、研究計画全体の前提となる先行研究の知見が正しくない可能性を示唆するものであり、この点をまずは解消する必要がある。そこで、視聴覚統合における後部上側頭溝の役割を支持したとされるこれまでの研究結果を再度精査し、必要に応じてメタ分析などの再分析を実施する。また、後部上側頭溝が視聴覚統合を支えていないのだとすれば、ではどの部位が支えているのかを明らかにするために、引き続きfMRIデータを蓄積してRSA分析を実施すると共に、脳刺激法(経頭蓋直流電気刺激法)を用いていく。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Evidence from a within-language comparison in Japanese for orthographic depth theory: Monte Carlo simulations, corpus-based analyses, neural networks, and human experiment2023

    • Author(s)
      Inohara Keisuke、Ueno Taiji
    • Journal Title

      Journal of Memory and Language

      Volume: 132 Pages: 104434~104434

    • DOI

      10.1016/j.jml.2023.104434

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2024-12-25  

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