2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of intraoperative realtime diagnostic imaging technique for brain tissue viability by using RGB camera
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20H04513
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西舘 泉 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70375319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久保 安昭 山形大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40343074)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | RGBカメラ / 脳組織 / バイアビリティ / 組織酸素飽和度 / リアルタイムイメージング / 術中モニター |
Outline of Annual Research Achievements |
R3年度は、R2年度に開発した手法の生体での妥当性と有用性を確認するために研究代表者の西舘と研究分担者の小久保が共同で、小動物を対象とした低酸素負荷モデル、頸動脈遮断モデルおよび脳梗塞モデルによる脳血管障害の再現実験を行った。低酸素負荷モデルでは吸入酸素濃度の低下に応じて組織酸素飽和度が減少し、呼吸停止後に組織による光散乱特性の一つである散乱パワーの増加が確認された。頸動脈遮断モデルでは、1時間の両側頸動脈遮断解除後に、脳の総ヘモグロビン量と組織酸素飽和度が遮断前に比べ増加するケースが確認され、虚血後の過灌流状態の再現が示唆された。片側中大脳動脈永久閉塞による脳梗塞モデルを用いた実験では、閉塞側の脳半球で組織酸素飽和度と総ヘモグロビン量が優位に低下し、散乱パワーの増加が確認された。麻酔から回復したマウスには脳梗塞で生じる神経症状が観察された。in vivoの計測試験後に、採取し切片化した組織に対し、TTC染色を行い、染色画像の特徴から脳梗塞巣領域の評価を行った結果、神経症状が観察されたマウスでは、中大脳動脈支配領域でTTC非染色領域が観察され、脳梗塞巣が確認された。さらに、この脳梗塞巣に対応する領域では正常領域に比べ散乱パワーが有意に増加していることを確認した。 また、3年目に行う予定の本格的な人を対象とした実証試験の予備試験として、山形大学医学部附属病院において研究分担者(臨床医)の小久保安昭准教授が執刀する手術中に、開発したシステムの設計検証試験を行った。術中の脳血管の一時的な遮断と解除を伴う症例について試験を行い、組織酸素飽和度の変化を補足可能であることを確認した。比較対象としてレーザー光組織酸素モニターによる組織酸素飽和度の接触型ポイント計測を行い、開発した非接触イメージング方式で得られた結果と市販の接触型計測装置で得られた組織酸素飽和度の間の相関を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、低酸素負荷モデルを用いた小動物実験(小動物実験Ⅰ)と頸動脈遮断および脳梗塞モデルによる脳血管障害の再現実験(小動物実験Ⅱ)を実施している。また、3年目に行う予定のヒトを対象とした実証試験のための予備的試験として、脳外科手術中の組織酸素飽和度と総ヘモグロビン量のリアルタイムイメージングを実施し、処置前後の変化から、一定の条件下での妥当性が確認できている。一方で、in vivoラットの計測試験後に採取した脳組織に対する組織障害レベルの評価法の確立については、使用する酸化ストレスマーカーの選定と評価法の変更に伴い、予定よりやや遅れている。以上から、全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
R3年度で得られた動物実験による結果とヒトを対象とした設計検証予備試験の結果を考察し、R4年度の研究において修正していくべき点の洗い出しを行う。また、酸化ストレスマーカーと光散乱特性に基づく組織障害レベルの定量化法の確立に向けた作業を継続して行うとともに、リアルタイムイメージングシステムへの追加や修正が必要な性能や操作性の項目をシステムに反映させる。開発したシステムの結果画像の表示性能だけでなく、解像度の向上、表面反射の抑制、画像データ保存の効率化も図る方策である。
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Research Products
(4 results)