2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of mechanism of ischemia-reperfusion injury using heart-, brain-, and kidney-on-a-chips
Project/Area Number |
20H04518
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 賢 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (50432258)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 心筋梗塞 / 脳梗塞 / 腎臓移植 / 虚血再灌流障害 / 臓器チップ / 活性酸素種(ROS) / 一酸化窒素(NO) |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年の研究において、血管内皮細胞、線維芽細胞、およびiPS細胞由来心筋細胞の共培養によるヒト心臓チップの開発を完了し、論文発表を行なった。また心臓チップの血管側チャネルへの培地の灌流速度が、血管内皮細胞の配向と血管透過性に影響を及ぼすことを明らかにした。これに関連し、マイクロ流体流路の形状、培地の灌流速度、および細胞培養表面の剪断応力の解析を、流体力学ソフトウエアOpenFOAMにより行なった(仏・Sorbonne大との共同研究)。 臓器チップ実験において、E社製マイクロ流体チップは臓器側・血管側の細胞が隔壁を通過して混ざり合う問題が発覚した。この問題を解決するため、3次元CADでマイクロ流体チップの設計を行い、3Dプリンターで造形を行なった。造形したチップ上で血管内皮細胞を培養し、共焦点顕微鏡により細胞の生着を確認した(タイ・Mahidol大との共同研究)。 腎臓の虚血再灌流障害の仕組みを調べるため、6 wellプレート上で培養した近位尿細管上皮細胞(RPTEC)と血管内皮細胞(HUVEC)に過酸化水素水(H2O2)を投与した。その結果、RPTECではH2O2濃度300μM以上でLDH上昇にて裏付けられる組織障害が見られたのに対し、HUVECでは見られなかった。 本研究で、ヒト心臓チップおよびヒト腎臓チップを開発し、TRPM4チャネルをCRISPR knockoutしたヒトiPS細胞株の作出に成功した。一方、これらを用いて虚血再灌流障害がTRPM4チャネルの活動により増悪することの証明については、達成にさらなる時間を要する結果となった。またヒト血液脳関門チップの開発は、その構成成分であるヒト星状細胞と周皮細胞の選定・入手を行なったが、これらを用いた血液脳関門モデルの開発は今後の課題となった。
|
Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|