2021 Fiscal Year Annual Research Report
自己乳化現象の制御による「超低密度」多孔質粒子の作製と経肺投与DDSへの応用
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20H04531
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
村上 義彦 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00339748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 智亮 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10728447)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多孔質粒子 / 自己乳化 / エマルション |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、高分子乳化剤(両親媒性ブロック共重合体。親水部:ポリエチレングリコール(PEG)、疎水部:ポリ乳酸(PLA)など)の組成、有機溶媒の種類などのさまざまな因子が、界面における高分子乳化剤の吸着挙動や分子運動性、界面張力の変化、界面揺らぎに影響を及ぼすことを明らかにした。そこで今年度は、昨年度に確立した自己乳化現象の原理を応用し、多孔質粒子の薬物徐放特性や空気動力学特性に大きな影響を及ぼすタップ密度・空孔径・空孔数を制御するための因子の解明を目指した。自然に生じる不安定な自己乳化現象によって、粒子内部の空隙が大きくなり、タップ密度が低くなると考えられる。その「不安定さ」を確実に制御することが可能になれば、さらに大きな空隙の形成も可能になり、極めて低いタップ密度を示す多孔質粒子が実現すると期待される。多孔質粒子の空孔径・空孔数は、「自己乳化によって生じたw/o(water-in-oil)エマルション液滴」と「バルクの水相」が融合する最終段階において決まる。そこで、今年度は特に、「水と接触した際の、w/oエマルションの安定性」に影響を及ぼす因子(高分子乳化剤の組成、有機溶媒の種類など)の影響を明らかにし、所望のタップ密度・空孔径・空孔数を得るための調製条件を明らかにした。さらに、「水と有機溶媒の接触方法(滴下速度や対流現象に由来した違い)」が水と有機溶媒を接触するだけで生じる自己乳化現象に大きな影響を及ぼすことも明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き実施した検討により、高分子乳化剤によって生じる自己乳化現象を制御するための因子は何か?という根本的な問いの解決につながる成果が得られたため。自己乳化現象を制御することによって多孔質粒子を得る革新的な技術の確立に向けて、重要な操作因子の数々を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の検討によって、昨年度に引き続き自己乳化現象に影響を及ぼすさまざまな因子が明らかになった。最終年度では、得られた多孔質粒子のエアロゾル特性や治療特性を詳細に評価する予定である。
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