2020 Fiscal Year Annual Research Report
天然ステルスエキソソームの解析とデリバリーキャリア開発への応用
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20H04533
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 有己 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (00547870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30171432)
小形 公亮 京都大学, 薬学研究科, 特定助教 (80866781)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エキソソーム / 血中滞留性 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞から分泌される膜小胞であるエキソソームは脂質二重膜により形成された細胞外小胞であり、その生理機能に注目が集まるとともにデリバリー応用が期待される。これまでに、培養細胞から回収したエキソソームの大部分はマクロファージ等の貪食細胞に取り込まれるためにその血中半減期は数分程度と極めて短いことが明らかとなっていた。最近、研究代表者らは、エキソソームの中にはマクロファージに認識されにくく、血中半減期が数時間~数日と非常に長いエキソソームが存在する可能性を示す結果を得た。本申請ではそのようなエキソソームを天然ステルスエキソソーム(NSExo)と名付け、その存在と物性・動態特性等について解析する。これらの検討を通じて、新規の細胞外小胞NSExoの詳細について明らかにするとともに、デリバリーキャリアの開発研究を行う。 本年度は、細胞の培養上清から超遠心法で総エキソソームを回収し、これをGaussia luciferase (gLuc)とエキソソーム移行性タンパク質との融合タンパク質で標識した。その結果、負電荷の少ないエキソソームが高い血中滞留性を示すことを見出した。 肝臓への高効率遺伝子導入法であるハイドロダイナミクス法を用いて、gLucとエキソソーム移行性タンパク質との融合タンパク質の遺伝子を導入し、導入したマウスの血中のエキソソームを回収したところ、血中に存在する肝細胞由来のエキソソームは血中滞留性の高いNSExo画分であることを見出した。さらに、そのNSExoを解析したた結果、これも負電荷の少ないエキソソームであることを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以上のようにNSExoの同定に成功したことから、研究については順調に進捗したものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、NSExoの特徴的分子について解析するとともに、in vivoにおける選別についても評価を行う予定である。
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Research Products
(3 results)