2022 Fiscal Year Annual Research Report
天然ステルスエキソソームの解析とデリバリーキャリア開発への応用
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20H04533
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 有己 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (00547870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30171432)
小形 公亮 京都大学, 薬学研究科, 助教 (80866781)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エキソソーム / 血中滞留性 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞から分泌される膜小胞であるエキソソームは脂質二重膜により形成された細胞外小胞であり、その生理機能に注目が集まるとともにデリバリー応用が期待される。これまでに、培養細胞から回収したエキソソームの大部分はマクロファージ等の貪食細胞に取り込まれるためにその血中半減期は数分程度と極めて短いことが明らかとなっていた。最近、研究代表者らは、エキソソームの中にはマクロファージに認識されにくく、血中半減期が数時間~数日と非常に長いエキソソームが存在する可能性を示す結果を得た。本申請ではそのようなエキソソームを天然ステルスエキソソーム(NSExo)と名付け、その存在と物性・動態特性等について解析する。これらの検討を通じて、新規の細胞外小胞NSExoの詳細について明らかにするとともに、デリバリーキャリアの開発研究を行う。 本年度は、NSExoのデリバリー応用を念頭に、NSExo産生細胞の培養上清からのNSExoの回収方法の確立について検討を行った。NSExoはその体内動態特性から有用なデリバリーキャリアになりえると考えられるが、その生産性は大きな問題点となる。そこで本年度はNSExoの生産性の改善を目的とした検討を行った。NSExoはホスファチジルセリン(PS)が少ないために負電荷が少ないエキソソームであるが、これを効率よく回収するために陰イオン交換クロマトグラフィーによる回収方法の開発について検討を行った。その結果、陰イオン交換クロマトグラフィーにより、効率的にNSExoを回収する方法の確立に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以上のようにNSExoの効率的回収法の確立に成功したことから研究は順調に推移した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、NSExoのさらなる効率的回収について検討するとともに、デリバリー応用について検討を行う予定である。
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Research Products
(2 results)