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2020 Fiscal Year Annual Research Report

Elucidation of cerebral circulation by the use of polymeric MRI contrast agents

Research Project

Project/Area Number 20H04536
Research InstitutionJikei University School of Medicine

Principal Investigator

横山 昌幸  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20220577)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 白石 貢一  東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40426284)
小松 鉄平  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60723856)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
KeywordsGlymphatic system / Gd蓄積 / アルツハイマー病 / MRI造影剤 / 高分子MRI造影剤 / 低分子MRI造影剤
Outline of Annual Research Achievements

第3の脳体液循環システムとして発見されたGlymphatic system(GLSと略す)は、脳の生理・代謝機能と脳神経疾患病理の理解に不可欠である。しかし、GLS体液循環は定性的な理解に留まっている現状である。一方、低分子MRI造影剤投与で、その成分ガドリニウム(Gd)がGLS経由で脳特定部位に蓄積することが問題となっている。本研究は、申請者が作製した高分子MRI造影剤を用い、GLS循環および脳蓄積を定量的に測定し、GLSの境界移動における分子量依存性を解明すると共に、Gd脳蓄積リスクの無いMRI造影剤の臨床応用に向けた安全性を証明することを目的とする。
3年間の研究期間の初年度である本年は、(1)慢性脳疾患モデルとして3カ所の遺伝子変異をノックインしたアルツハイマー病(AD)モデルマウスの継代確立と、(2)大槽内投与法の確立を主な目的とした。
結果としては(1)ADモデルマウスとしてAPPNL-G-FKIマウスの継代を確立した。順調に継代でき、1-2ヶ月毎に新しいマウス群を実験に提供することが可能となった。このマウスを用いて、生後2ヶ月までの血管透過性評価を行った。(2)脳脊髄液内投与箇所として最も有望である、大槽注入法の比較検討を行った。その結果、硬膜を通して細い針で投与する方法によって、漏れがほとんどなく投与でき、投与したMRI造影剤の分布・動態がMRIによって追跡できることが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

一部に遅れはあるものの、想定外の新発見があり、全体としては順調に進んでいる。(1)アルツハイマー病(AD)モデルマウスの確立
当初計画していたTg2576マウスではなく、これよりもAD症状の発症が早い3カ所の遺伝子変異を入れたAPPNL-G-FKIマウスが理化学研究所から提供されることとなった。コロナ禍のために計画より3ヶ月ほど遅れて、2020年11月に慈恵医大に搬入され、順調に継代された。このマウスは3ヶ月齢からAD症状が発現し始める。2ヶ月齢までは、血液内に投与された高分子造影剤が脳組織に漏れ出すことがないことをMR画像で確認した。
(2) 大槽内投与法の確立
脳脊髄液の最も容易な投与箇所とされる大槽は、マウスでは1mm程度の大きさであり、これに正確に投与することは技術的に難しい。文献にあった2つの方法を比較したところ、首後の皮膚と筋肉を切開し、硬膜を露出させて35Gの針で2-3μL程度投与する方法が、投与失敗と他の部位への漏れが少なく、投与された造影剤が明確にMR画像で観察できることが分かった。
(3)造影剤の血液から脳脊髄液への移行挙動の発見
低分子Gdキレートの脳組織への蓄積が臨床で問題となっているが、血液内に投与された造影剤がどの経路で脳組織に到達するかは分かっていない。その一つの可能性として血液→脳脊髄液→Glymphatic system→脳組織という経路が提唱されているが、定量的なデータは臨床、マウスモデルともに得られていない。低分子造影剤Gd-DOTAと高分子ミセル造影剤は共に、C57BL/6Jマウスの静脈投与後に脳脊髄液に移行することが、MRIによって明らかになった。特に、高分子造影剤が移行することはこれまでの常識(高分子は脳性髄液関門を透過しない)に反する。高分子ミセル造影剤では、ミセル構造から解離した分子量1万程度の高分子鎖が移行したのかも知れない。

Strategy for Future Research Activity

計画された(1)(2)の項目は予定通り進める他に、当年度の新発見に基づいて新たに加えた(3)の項目も進めてゆく。
(1)ADモデルマウスでの脳血管透過性解析:ADモデルマウスに高分子造影剤を血中投与し、MRIによって脳血管透過性を生後6ヶ月(ADの症状が多種発現する時期)まで評価する。
(2)脳脊髄液中の物質移動解析:大槽内に投与した低分子及び高分子造影剤の分布を6時間程度までMRIで観察する。
(3)血液から脳脊髄液への物質移動挙動解析:分子量を変えた高分子造影剤を血中投与して、血液→脳脊髄液へ移行できる分子量の限界を求める。また、低分子造影剤と比較した、高分子造影剤の血液→脳脊髄液へ移行速度定数を、MRIのT1map法によって脳脊髄液中の造影剤濃度を測定することによって求める。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 2020 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Single intratracheal administration of cross-linked water-soluble acrylic acid polymer causes acute alveolo-interstitial inflammation and the subsequent fibrotic formation possibly via the TGF-β1 pathway in the lung of rats.2021

    • Author(s)
      Machi Suka, Takamasa Kido, Wataru Yoshioka, Eri Hachisuka, Hiroto Okoshi,Takashi Yamauchi, Hiroshi Hano, Takashi Okano, Masayuki Yokoyama, and Hiroyuki Yanagisawa
    • Journal Title

      Toxicology,

      Volume: 448 Pages: 152647

    • DOI

      10.1016/j.tox.2020.152647

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Stability evaluation of Gd chelates for macromolecular MRI contrast agents.2020

    • Author(s)
      Masayuki Yokoyama, Kouichi Shiraishi
    • Journal Title

      Magnetic Resonance Materials in Physics

      Volume: 3 Pages: 527-536

    • DOI

      10.1007/s10334-019-00805-8

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] MRI造影剤のGd蓄積リスクの低減:高分子造影剤の戦略2021

    • Author(s)
      横山昌幸、白石貢一
    • Organizer
      第15回日本分子イメージング学会
  • [Remarks] 医用エンジニアリング研究部

    • URL

      http://www.jikei.ac.jp/academic/course/24_gazou.html

URL: 

Published: 2022-12-28  

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