2020 Fiscal Year Annual Research Report
Fablication of three-dimensional tube structure with multilayer by applying active cell control using microbubbles and acoustic radiation force
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20H04547
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
桝田 晃司 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60283420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 義孝 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 細胞医療研究部, 研究員 (20425705)
鈴木 亮 帝京大学, 薬学部, 教授 (90384784)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血管内皮細胞 / 微小気泡 / 細胞凝集体 / 音響放射力 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで、血管内皮細胞に微小気泡を付着させた細胞凝集体を作成し、超音波による音響放射力を利用して細胞を流体中で誘導、堆積させるための技術を開発してきた。当該年度はまず、凝集体に包含された細胞の超音波照射に対する影響に着目し、微小気泡と細胞の接触状態、および細胞に対する微小気泡の相対的な濃度の影響について検証した。照射音圧の最大値を変化させた連続波照射において、微小気泡と細胞が抗原抗体反応で付着した/していないの両方の条件で、生存率の変化を計測した。音圧増加に伴い、微小気泡が付着した細胞における生存率は低下しないのに対し、付着していない細胞では、恩智音圧、微小気泡の濃度であっても生存率が低下する傾向を確認した。 次に、微小気泡が付着した細胞の制御能を定量的に解析するため、微小気泡を付着させた細胞懸濁液を流路中で通過させ、懸濁液の流れに対向する方向に音波を照射して細胞の捕捉制御を行った。照射する音波は複数焦点を形成し、また各焦点の最大音圧350 kPa-pp以下の条件で、照射時間の重み付けを調整した。 4焦点以下の場合、音圧の増加に伴い捕捉細胞数が増加した。また焦点数の増加に伴い音波のエネルギーが分散し、捕捉細胞数は減少する傾向となった。またこの際、低流速では細胞捕捉の効率が悪く、また高流速では細胞が流されるため、最適な流速値を導出した。さらに、微小気泡と細胞の相対濃度の最適値についても確定し、今後の研究に反映させる確証を得た。最後に、細胞培養の土台としてのコラーゲンゲルの塗布を行い、細胞増殖率が最も高くなる厚さについても知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な音波の条件や微小気泡の状況に対する細胞の生存率の検証、および流体中の細胞の制御能の検証、という2つの課題について、様々な検討を行い、結果を得ることができた。なお本報告は、2020年度から2021年度に繰り越した分の報告であるため、上記進捗は2021年度末の内容である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の申請書に記載したとおり、今後は複数種類の細胞による多層管腔構造体の製作法の確立を目指す。異なる種類の細胞に、それぞれ異なる微小気泡を付着させた2種類の凝集体を作成する。微小気泡はそのサイズや材質の構成比によって共振周波数が変化することを利用し、微小気泡の調整法を改善して特定の音波の周波数のみに対して選択的に強く振動し、破壊するための条件を導出する。この際、損傷を受ける細胞が最小限となるように一連のプロトコルを検討し、検証する。その後、第2層となる細胞を堆積させ、同様に浮遊した微小気泡を除去する手続きを経て、管腔構造の成長を図る。
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Research Products
(7 results)