2020 Fiscal Year Annual Research Report
リピッドバブルとMRIガイド経頭蓋超音波による血液脳関門開口と脳内薬物送達
Project/Area Number |
20H04554
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 特任教授 (30130040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 晋一郎 東北大学, 医工学研究科, 学術研究員 (20402787)
吉澤 晋 東北大学, 工学研究科, 准教授 (30455802)
小俣 大樹 帝京大学, 薬学部, 講師 (80803113)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロバブル / 超音波 / BBBオープニング |
Outline of Annual Research Achievements |
小動物経頭蓋照射を目的とした周波数250kHz・500kHz・1MHzの強力集束超音波(HIFU)トランスデューサと,それらが発生する超音波を小動物頭蓋へ伝えるアタッチメントを研究開発した.その技術課題は,250kHzのHIFUトランスデューサの開発において最も厳しかった.開発ポイントは,1) 水中波長6mmの超音波により,小動物頭蓋に比べて大きすぎないサイズの焦域を形成すること,2) 動作周波数における電気的インピーダンスが,市販のRFパワーアンプおよび同軸ケーブルと整合のとれる50オームに近いこと,3) 小動物照射実験において使いやすいサイズである ことである.一般に圧電素子は,共振周波数・反共振周波数と称される直列共振および並列共振周波数において,純抵抗に近い電気的インピーダンスをもつ.2)と3)を同時にみたすため,同じ抵抗値を1桁以上小さなサイズの圧電トランスデューサで実現可能な直列共振周波数を選び,水負荷・エアバッキング条件において電気的インピーダンスが50オームとなるよう球殻状厚み共振トランスデューサの直径をチューニングした.また,1)をみたすため,500kHz・1MHzのトランスデューサについては,HIFUとして一般的なF値(焦点距離/直径)1を選んだが,250kHzのトランスデューサについては,0.75を選んで,超音波周波数の割合に小さな焦域サイズを実現した.さらに,アタッチメントは,超音波を伝える脱気水を円錐形状のケース内に保持する形式とし,ケース材料のには,アクリル樹脂と同様に透明ではあるが,超音波に暴露されてもより軟化しにくいポリカーボネイト樹脂を選んだ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は,梅村、吉澤(東北大)によって、小動物経頭蓋照射を目的とした周波数250kHz・500kHz・1MHzの強力集束超音波(HIFU)トランスデューサと、それらが発生する超音波を小動物頭蓋へ伝えるアタッチメントを研究開発し、東北大で、性能チェックを行った。それらを帝京大に持ち込み、設備備品費で購入したアロニクスパワーアンプ2100Lに接続し、超音波出力を確認したところ予定通りの結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
500kHz、250kHzトランスデュサー、さらに1MHzトランスデュサーを順調に作成し、設備備品費で購入したアロニクスパワーアンプ2100Lに接続して特性評価を行い予定通りの結果が得られたので、今後、ラット頭部に照射しBBBオープニングによる薬物送達研究を行う。ラット頭部の実験について、2021年度より、長崎大・医の吉田が加わって進める。
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