2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Structural and Thermal Properties of PVA as 3D Printing Material for Body Parts Modeling
Project/Area Number |
20H04557
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20400418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 吉弘 国立医薬品食品衛生研究所, 医療機器部, 室長 (40776027)
安西 眸 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (50736981)
庄島 正明 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80376425)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管モデル / 表面摩擦 / PVA-H |
Outline of Annual Research Achievements |
血管モデルは,カテーテルやステント等医療機器のフィージビリティ評価やトレーニングに用いられている.これまで血管モデルの材料としてシリコーンが使われていたが,近年血管の力学的特性を再現するために,ゲルが用いられることが多くなった.この結果,血管壁とカテーテルとの表面摩擦が劇的に改善され,血管と材料で測定された値と同等のモデルが開発された.また,3Dプリンタの登場により,患者血管の形状を再現できるようになった.しかしながら,表面粗さは3Dプリンタの光の絞りに依存し,3Dプリンタで作製後の血管モデル内部壁面の表面粗さを減少させる方法が見つかっていない.このことから,3Dプリンタで作製したモデルは,「健康な疾患モデル」と称され,「人工的な滑りやすさ」となっている.そこで本事業では,疾患モデルを再現するため,表面の形状を制御する手法の開発とその部位の同定,および測定方法の確立を目的とする. 2021年度は,表面形状(表面粗さ)が違うモデルを開発した.本血管モデルで用いているポリビニルアルコールハイドロゲル(PVA-H)を主成分とした材料を用いて,表面粗さをこれまでのモデルに比べ大きく変化させることに成功した.さらに,本材料の力学的性質はこれまでより多少変化したが,これまで通りの力学的性質を再現することにも成功した.これまでの摩擦試験機で摩擦係数を測定すると,表面粗さにより多少変化したが,大きく変化はしなかった.このことは,これまでの摩擦試験機での摩擦係数試験では成り立たなくなった(測定ができなくなった)ことを意味しており,今後摩擦試験法の確立を必要とした.このことについては,来年度の目的とする.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初コロナの影響により実験が滞っていたが,2021年度後半には社会的に安定して実験が可能になり,成果が出てきた.成果発表こそ難しく,2021年の成果発表は多くない.
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Strategy for Future Research Activity |
開発した表面形状(表面粗さ)手法をモデルに適用して,いくつかの表面粗さモデルを作製する.本血管モデルを用いて,その感触について,複数の専門医や指導医に聞き取り調査を行うことで,表面粗さの有効性を検証する.
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Research Products
(8 results)