2022 Fiscal Year Annual Research Report
摩擦に起因するすべり・つまずき転倒機構の解明に基づく転倒予防靴底・床材料の開発
Project/Area Number |
20H04558
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 健 東北大学, 工学研究科, 教授 (50332515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 圭 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, リスク管理研究グループ, 任期付研究員 (60612398)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 転倒予防 / すべり / つまずき / 摩擦 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度では、すべり転倒・つまずき転倒の双方を抑制可能な靴底や床材の開発に向け、植物系多孔質炭素材料を充填した高摩擦ゴム複合材料の開発及び高摩擦ゴムブロック形状の解明に取り組んだ。 まず、植物系多孔質炭素粒子を合成ゴムに異なる体積割合で充填したゴム系複合材料を開発し、平滑なガラス面に対する水潤滑下における摩擦係数を明らかにした。その結果、多孔性炭素粒子を配合することで未配合のゴムに比べて摩擦係数が増加することが分かった。また、多孔性炭素粒子の充填率により、水潤滑下における摩擦係数を0.5から2.0まで変化させることが可能であることが明らかとなった。 次に、端面角部の曲率半径が異なる矩形ゴムブロックを複数有する試験片を作製し、グリセリン水溶液中で平滑なガラス面に対する摩擦係数を明らかにした。その結果、ゴムブロック端面角部の曲率半径の減少に伴い摩擦係数は増加し、ゴムブロックの端面角部曲率半径が0.1mm以下ではグリセリン潤滑下において大気中無潤滑下よりも高い摩擦係数が得られることが分かった。また、グリセリン潤滑下において、端面角部半径により摩擦係数を0.2から1.5まで変化させることが可能であることが明らかとなった。 以上のことから、植物系多孔性炭素粒子のゴムへの充填や矩形ゴムブロックの端面角部半径の制御により、令和3年度に明らかとなった好適摩擦係数範囲(0.4-1.1)の摩擦係数を、水潤滑下や油潤滑下という低摩擦になりやすい条件においても実現できることが示された。この知見を用いることで従来技術では実現不可能な耐滑靴底・床材料および靴底・床意匠の開発が可能となると考えられる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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