2021 Fiscal Year Annual Research Report
Interdisciplinary research on the structure of monumental royal-class mounded tombs
Project/Area Number |
20H05634
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
清家 章 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (40303995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 茂之 岡山大学, 自然科学研究科, 特命教授 (00183418)
山口 雄治 岡山大学, 埋蔵文化財調査研究センター, 助教 (00632796)
居島 薫 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10345697)
白木 一郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10399389)
鳥養 映子 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 協力研究員 (20188832)
光本 順 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (30325071)
野崎 貴博 岡山大学, 埋蔵文化財調査研究センター, 助教 (40284054)
永嶺 謙忠 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, その他部局等, 名誉教授 (50010947)
福永 伸哉 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50189958)
吉村 浩司 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (50272464)
南 健太郎 岡山大学, 埋蔵文化財調査研究センター, 助教 (60610110)
三宅 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, その他部局等, シニアフェロー (80209882)
野坂 俊夫 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (80252948)
木村 理 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, アソシエイトフェロー (10881485)
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Project Period (FY) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 文理融合 / ミュオン / 古墳 / 墳丘 / 埴輪 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルスの影響を受けて、計画変更を余儀なくされたが、困難を乗り越えておおむね順調、一部計画を先行して進めることができた。本研究はミュオン班・墳丘班・埴輪班の3つの班によって実施されている。それぞれの班ごとに研究経過を報告する。 ミュオン班・埋葬施設班:2021年度は、ミュオン観測器1号機が完成し、11月に造山古墳くびれ部1段目に設置し、観測を開始させた。この過程は6回 文理融合シンポジウム 量子ビームで歴史を探る ー加速器が紡ぐ文理融合の地平ー』で発表している。鳶尾塚古墳の石室調査と装置の移設準備のための山梨から岡山への出張が困難となった。一方、墳丘班による造山古墳のLiDAR測定のおかげで、造山古墳のシミュレーション精度は格段に向上した。そこで、実証実験を、山梨大学における低山透視と、造山古墳基部における、装置性能の実証と環境試験を兼ねた予備実験で代行した。 墳丘班:鳶尾塚古墳の墳丘と石室の三次元計測は2021年度までに完了している。すなわち本研究で2023年度までに計測の予定をしていた古墳は、計測を終了あるいはデータを収集したことになる。また、鳶尾塚古墳では墳丘の発掘調査を実施し、直径23mの円墳であることが推定されるに至っている。予定より作業が早く進んでいるので、計画にはなかったが鳥取上高塚古墳のLidar調査を4月に実施し、その成果を早くも論文にしている。岡山市造山古墳のLidar測量の結果についてはデータの整理を行い、論文執筆の段階に入っている。その成果は考古学研究会第67回研究集会ポスターセッション、文化財科学会等で公開している。 埴輪班:昨年度入手した造山古墳、両宮山周辺古墳(赤磐市森山古墳、同・宮山 4 号墳、同・岩田 3 号墳)と倉敷市二万大塚古墳出土埴輪の資料の分析を続けるとともに、造山古墳と畿内王陵系埴輪の比較研究を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時点では想定できなかった長期にわたる新型コロナウィルスのパンデミックの影響と世界的半導体不足を受けて、フィールド調査のいくつかは計画の順番変更を余儀なくされた。その一方で、困難を乗り越えて一部計画を先行して進めることができた班もあり、総合すればおおむね順調に進展しているという判断をした。 ミュオン・埋葬施設班はもともと鳶尾塚古墳で観測の実験をする予定であったが、上記のような状況であったので、LiDARによる造山古墳のデータを用いて精度の良いシミュレーションを行いつつ、山梨大学における低山透視と、造山古墳基部における、装置性能の実証と環境試験を兼ねた予備実験で代行した。 墳丘班は5年計画ですべき大型前方後円墳のデータをすでに入手し、さらに計画にはなかった鳥取上高塚古墳という大型前方後円墳の三次元測量を実施し、その成果を公開している。造山古墳の測量に関する論文の準備をしている点も予定よりも早いペースである。 鳶尾塚古墳の発掘調査はパンデミックのため石室調査は先送りし、墳丘調査のみ先行して進めている。調査の順番を入れ替えることで研究に遅れが出ないようにしている。 埴輪班は予定していた吉備の埴輪の分析を順調に進め、その成果も研究発表という形で公開している。ただし、岡山市資料にかんしてはパンデミックが収まるまでの調査は制限されているため、岡山大学や他機関所蔵資料を先行して分析を進めている。以上のようなことからおおむね順調に進展しているとの判断を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
ミュオン・埋葬施設班は造山古墳で複数基によるミュオン観測、作山古墳で新たにミュオン観測を開始するため、ミュオン観測機のさらなる開発と製造を行う。すでに設置したミュオン観測機が収集するデータを解析する。この解析には考古学・地質学の研究者が関わって行う。 墳丘班は、計画にはなかったが大型前方後円墳周辺にある小古墳群のデータを入手すべく新たな調査計画を検討する。 鳶尾塚古墳の発掘調査はパンデミックが収まり次第、石室の発掘調査を行う。調査では地質分析・岩石分析とともに出土資料を他の班に提供し、文理融合的分析を行う。 埴輪班は、古市古墳群など畿内王墓の分析資料を入手し、分析を行う。畿内と吉備の埴輪を比較し、その関係を明らかにする。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] Ceramic pedestals from a proto-historic Japanese burial mound: a multidisciplinary investigation2021
Author(s)
M. Gulmini, P Davit, A. Lamacchia, A. Re, L. Guidorzi, A. Lo Giudice, R. Giustetto, E. Tema, D. Angelici, F. Fantino, E. Ferrara, T. Hatakeyama, T. Nozaka, J. Mitsumoto, R. Yamaguchi, A. Seike and N. Matsumoto
Organizer
XI-Congress of the Italian Archaeometric Association Italian Archaeometric Association
Int'l Joint Research
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