2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of high resolution laser spectroscopy in the vacuum ultraviolet region and its application to laser cooling of anti-hydrogen
Project/Area Number |
20H05642
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
桂川 眞幸 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10251711)
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Project Period (FY) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 真空紫外レーザー / 高分解能レーザー分光 / 水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
光量子科学は、レーザーの極限化技術と共に互いに表裏一体をなし発展してきた。ほぼ全ての領域が開拓されてきたように見える一方で、レーザーの発明から60年近くを経た現代でも全く手つかずのレーザー技術の領域が残されている。真空紫外域(< 200 nm)における単一周波数・波長可変レーザー技術 (図1の未踏) は、まさにその一つである。 この研究プロジェクトでは、この未踏領域に応用レベルで利用可能なレーザー技術基盤を構築することを第一義的に目指している。非線形光学過程に人為的な相対位相制御を組込むことで量子効率1の非線形波長変換が可能になるという発見をベースにしている。 これまでに理論的な枠組みを構築し、原理実証実験をおこなった。また、それらの成果を真空紫外域で展開する技術基盤の構築を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
真空紫外域に応用レベルで利用可能なレーザー技術基盤を構築するための基盤を固める研究を進めた。高次の誘導ラマン散乱過程を典型例として、非線形光学過程に人為的な相対位相制御を組込むことで量子効率1の非線形波長変換が可能になるという原理を現実の系で実証する研究を進め、ほぼ完了させた。また、その成果を論文および国際学会にて発表した。さらに、この成果をベースに、この原理を真空紫外域に拡張するための技術基盤の構築を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
高次の誘導ラマン散乱過程を典型例として進めた、非線形光学過程に人為的な相対位相制御を組込むことで量子効率1の非線形波長変換実現する原理を、真空紫外域に拡張する作業を進める。真空紫外域では様々な光学系、検出系が、可視、紫外域とは技術的に全く異なるので、構築した実験システムの技術的に基本的なテストを一つずつ進め、真空紫外域における新原理の波長変換をおこなう技術基盤を固める作業を中心にプロジェクトを進める。
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