2020 Fiscal Year Annual Research Report
Paradigm shift in the method for observing non-equilibrium processes in real space: Elucidation of nucleation processes from solution by TEM
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20H05657
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 勇気 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (50449542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧川 一学 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (10374597)
川野 潤 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (40378550)
田中 今日子 東北大学, 理学研究科, 客員研究者 (70377993)
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Project Period (FY) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 核生成 / ナノ粒子 / 透過型電子顕微鏡 / その場観察 / 結晶成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、水溶液からの核生成の透過型電子顕微鏡“その場”観察実験を軸に、水和層の役割を理解するために、水和層の無い気相からの核生成実験などを対照実験として実施する。水溶液からの核生成の透過型電子顕微鏡“その場”観察実験では、これまでに進めてきた溶液試料を観察できる3つの手法(窓板ホルダー、溶液セル、グラフェン膜)から、温度を室温から100℃の範囲で精密に制御できる窓板ホルダーを選定し、かつ、-60℃から室温で精密に制御できる窓板ホルダーを新規に開発した。現在、透過型電子顕微鏡の成熟により、その性能はカメラの性能で決まる状況である。そこで、核生成のその場観察に最も適したカメラとして、最大300 fpsで像を取得できるOneView ISカメラを導入した。このカメラで得られた像を教師データにして機械学習のアルゴリズムの開発を進めている。また、透過型電子顕微鏡に機械学習を導入するために、機械学習用ワークステーションを選定し、機械学習のプログラムを新規に構築した。その結果、機械学習を用いて、1 e- nm-2の電子線量で得た暗い像を7000 e- nm-2で取得した像と同等の情報を引き出せるまで鮮明化させることに成功し、より低電子線量でその場観察することが可能になった。 溶液からの核生成では、水和層が重要な役割を果たしていると考えられている。そこで、水和層のない気相からの核生成実験として、様々な分野で重要となる酸化シリコンの核生成実験を行い、その過程を干渉計でその場観察して核生成時の温度、圧力と過飽和度増加の時間スケールから核生成理論式に必須の物理量を求め、水溶液実験と比較するためのデータを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の計画を以下の通り達成したために、順調に進展していると判断した。 計画1:水溶液からの核生成のTEM“その場”観察実験において、これまでに進めてきた溶液試料の3つの観察手法(窓板ホルダー、溶液セル、グラフェン膜)から、最も適した手法を選定する。実績:温度を室温から100oCの範囲で精密に制御できる窓板ホルダーを選定し、かつ、-60oCから室温で精密に制御できる窓板ホルダーを新規に開発した。 計画2:現在、透過型電子顕微鏡の成熟により、その性能はカメラの性能で決まる状況である。そこで、核生成のその場観察に最も適したカメラを選定、導入する。実績:最も適したカメラとして、最大300 fpsで像を取得できるOneView ISカメラを導入した。このカメラで得られた像を教師データにして機械学習のアルゴリズムを開発している。 計画3:TEMに機械学習を導入するために、機械学習用ワークステーションを選定し、アルゴリズムを新規に構築すると共に、学習結果をTEM観察に反映させるための制御手法を確立する。実績:機械学習を用いて、1 e- nm-2の電子線量で得た暗い像を7000 e- nm-2で取得した像と同等の情報を引き出せるまで鮮明化させることに成功し、より低電子線量でその場観察することが可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
水溶液からの核生成の透過型電子顕微鏡“その場”観察実験では、溶液試料を観察で きる3つの手法(窓板ホルダー、溶液セル、グラフェン膜)から、核生成のその場観察に最も適した手法として初年度に選定を行った窓板ホルダーを用いて、機械学習による核生成の予測に必須の教師データの取得を行う。機械学習は、如何に多くの教師データを用意できるかが重要となる。並行して、新規に開発中の機械学習のプログラムを完成させ、透過型電子顕微鏡観察にリアルタイムに反映させる。また、電子線が溶媒である水を放射性分解することで、結晶化条件が変化してしまうことをできるだけ避けるために、電子線をパルス化するシステムを導入する。 溶液からの核生成では、水和層が重要な役割を果たしていると考えられている。そこで、初年度に引き続き、水和層のない気相からの核生成実験を行い、その過程を干渉計でその場観察して核生成時の温度、圧力と過飽和度増加の時間スケールから核生成理論式に必須の物理量を求め、水溶液実験と比較するためのデータを取得する。
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Research Products
(15 results)