2021 Fiscal Year Annual Research Report
Rice NLR genes, their function and evolution
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20H05681
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺内 良平 京都大学, 農学研究科, 教授 (50236981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤崎 恒喜 公益財団法人岩手生物工学研究センター, 園芸資源研究部, 主任研究員 (30626510)
阿部 陽 公益財団法人岩手生物工学研究センター, ゲノム育種研究部, 主席研究員 (80503606)
清水 元樹 公益財団法人岩手生物工学研究センター, ゲノム育種研究部, 主任研究員 (90734343)
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Project Period (FY) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 植物ー病原菌相互作用 / 共進化 / イネ / いもち病 / 抵抗性 / エフェクター |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)英国Banfield教授グループと共同研究を実施し、Pikp-1のIDであるHMAドメインをsHMA1の配列と交換することによりPik-1 NLRをエンジニアし、エフェクター認識範囲の拡大に成功した。 (2)イネ属植物167系統からPias-1/Pia遺伝子領域のゲノム配列を獲得し、Helper NLRおよびSensor NLRの配列を比較した。Sensor NLRのIDが極めて多様で、栽培イネを含むAゲノムに属する種では、IDとしてHMAとDUF761が高い頻度で観察された。 (3) AVR-Pikの宿主標的であるsHMAタンパク質の機能解明を進めた。イネsHMA遺伝子のKOを実施したところ、AVR-Pikと結合するsHMA2遺伝子のKOにより、親和性いもち病菌株の罹病性が低下した。イネsHMAの一部は、いもち病菌感染にとって重要な罹病性因子であり、AVR-PikはsHMAに結合して安定化することを示した。またPikアリルの中で、これまで対応する非病原力エフェクターが未同定であったPikSが認識する新規のイネいもち病菌のエフェクター(Mgk1)を同定した。Mgk1はAVR-Pikと一次構造は異なるが、PikのID(HMAドメイン)と相互作用する。 (4) Y2HやAlphaScreenによる解析の結果、Pii-2はIDであるNOIドメインを介してOsExo70F2/F3と複合体を形成し、OsExo70F2/F3と結合するAVR-Piiと間接的に相互作用すること、またAVR-PiiがこのPii-2ーOsExo70F2/F3複合体を解離させることを示した。 (5)イネ組換え近交系(RILs)に多数のいもち病菌株を接種して抵抗性/感受性を検定した。この結果、現在までに3個のNLR候補を同定し、これらが認識するいもち病菌AVRも3個同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画に予定した研究が順調に進行していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)Pik NLRエンジニアリングは、ほぼ所期の目的を達成したので、論文公表する。PikおよびPiaのペアーNLRの複合体構造解析の可能性を検討する。 (2)Pias/AVR-Piasの直接結合の確認を、共免疫沈降法、AlphaScreen法により実施し、PiaとPiasのSensor NLRのID交換によるAVR認識特異性の交換実験をふまえ、任意のIDを挿入しても機能するようなPias/Pia Sensor NLRとHelper NLRの骨格(scaffold)のエンジニアリングに着手 (3)イネsHMA遺伝子の機能解明、イネRIN4タンパク質の機能解明。RIN4/Exo70相互作用とAVR-Piiの病原作用の解明、イネDUF761タンパク質の機能解明を進める。 (4)新規に単離同定されたイネNLR-いもち病菌AVRの相互作用を解明する。
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Research Products
(9 results)