2020 Fiscal Year Annual Research Report
Systematization of Halogen Control Technologies toward Environmental Impact Reduction  
Project/Area Number |
20H05708
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉岡 敏明 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (30241532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 将吾 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (40757598)
福島 康裕 東北大学, 工学研究科, 教授 (40345096)
大野 肇 東北大学, 工学研究科, 助教 (20769749)
白鳥 寿一 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20396469)
齋藤 優子 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (30712575)
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Project Period (FY) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | ハロゲン・塩素循環 / プラスチックリサイクル / アルカリ工業 / 演繹的LCA / 環境影響評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、プラスチックリサイクルにおいて忌避物質となるハロゲンを「循環資源」と捉え、脱ハロゲン技術を基軸としてその技術展開の可能性を学術的に問うことにある。脱ハロゲン技術は「乾式法」「湿式法」に大別されるが、本研究ではそれぞれの手法の利点を最大化し、使用済みプラスチックが二次原料(再生材)・化学原料・高品質燃料となるためのハロゲン除去・回収・有効利用技術開発を実施している。 本年度はこれまでラボスケール、ベンチスケール装置で行ってきた湿式脱塩素実験データを補完し、さらに廃PVCの性状、各種パラメータ(温度、溶媒、回転数等)の影響を検討した。これによりプロセスのスケールアップにおける課題を抽出した。また、脱臭素実験にも着手した。塩素回収実験についてはこれまでラボスケールでの実験であったが、脱塩液・回収液が20倍となる装置にスケールアップしデータ取得を開始した。またマテリアルフロー解析(MFA)においてこれまで明らかにした国内塩素フローを国際的フローに拡大するため各種統計データの取得・整理を行った。さらに国内臭素フローを明らかにするため臭素系難燃剤に関する解析に着手した。国内外関連制度情報の収集も実施した。 さらに本研究では、技術プロセス開発とMFA・LCA、技術・政策国際動向に関する研究を同時並行で進め、連携させながら研究の方向性を最適化することが重要となることから、各研究の情報フィードバック方法と連携のあり方に関する検討も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来塩素の国内循環を目的とした研究を行ってきたが、国際的循環、さらには研究対象を塩素以外の臭素・フッ素のハロゲンに広げた研究を実施している。初年度である本年度は当初予定通り実験データの補完、学際的研究体制整備のための基礎的情報収集を行ったことに加え、スケールアップのシミュレーションを行い環境影響評価を行った。研究は当初予定通り順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度については、脱ハロゲン技術・プロセス開発では、脱塩素実験スケールの変更、さらに塩回収のための電気透析装置のデータを加えて演繹LCAを行う。これにより、本研究による開発技術プロセスの最適化やボトルネックとなるホットスポット、技術の社会導入速度等について検討を行う。また、ハロゲン含有製品のサーベイを実施し、臭素・フッ素含有製品に関する資料収集を図る。特に、臭素については家電製品に用いられる部品を対象とし脱臭素実験を進め各種パラメータの影響について検討する。 さらに、近年脱炭素とリサイクルとの関連も非常に重要視され各国でリサイクル政策の進展がみられることを踏まえ、本研究では国際的ハロゲンマテリアルフローや技術動向、法制度について把握するための最新の各種統計資料の収集を行う。臭素については業界ヒアリングで得た臭素系難燃剤含有素材および製品情報をもとに産業連関表を拡張し臭素フロー解析を進める。さらに、産業連関MFAを応用した動的手法であるMaTrace を用いて、PVCの動的マテリアルフロー解析を行う。 一方で、本研究では技術プロセス開発、マテリアルフロー・ライフサイクルアセスメント、技術・政策動向の学術分野が異なる三つの研究を連携しながら研究の方向性を最適化していくことが重要であることから、各研究の情報フィードバック方法と連携のあり方についても継続して検討を行う。
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