2022 Fiscal Year Annual Research Report
土壌病原菌フザリウムの宿主特異的な病原性の分子機構解明
Project/Area Number |
20J00007
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鮎川 侑 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | エフェクター / 転写産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究によって、キャベツ萎黄病菌(Focn)が病原性染色体に座乗するペアエフェクターSIX8-PSE1を利用してCYP79B2/B3依存的な免疫を抑圧することが示唆された。SIX8-PSE1の相同遺伝子SIX8a-PSL1をトマト萎凋病菌(Fol)から同定したが、SIX8a-PSL1遺伝子座をFocnの病原性染色体喪失株に導入しても病原性が復帰しなかった。そこで、SIX8aおよびPSL1がFocnで発現するか調査するために、SIX8a-PSL1遺伝子座を導入した病原性染色体喪失株を用いてPSL1の発現をRT-PCRで調査した。その結果、サイズの異なる複数のPSL1転写産物が認められた。これらの転写産物の塩基配列を確認したところ、いくつかのイントロンが残存する転写産物が見出された。Folにおいても同様の転写産物が発現するか調査する必要があるが、FocnのPSE1からイントロンを含む転写産物は確認していないため、PSE1とPSL1の転写機構が異なる可能性が考えられる。 Focn は、CYP79B2/B3と独立した免疫の抑圧に必要な病原性染色体も保持する。その染色体上にはシロイヌナズナ感染時に発現する10個のエフェクター候補遺伝子が座乗する。シロイヌナズナ感染時のトランスクリプトーム解析の結果、機能未知のSIX9およびFOA3遺伝子の他に、SIX8-PSE1のように転写領域を共有するように隣り合うペアエフェクター候補遺伝子が高く発現していた。これらのエフェクター候補遺伝子がCYP79B2/B3に依存しない免疫の抑圧に関与する可能性がある。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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