2021 Fiscal Year Annual Research Report
Theory as teaching tool: turn in architectural theory and education of postwar Italy
Project/Area Number |
20J00133
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松井 健太 千葉大学, 工学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 建築教育 / 戦後イタリア / アルド・ロッシ / 『都市の建築』 / 建築理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1960 年代から1970 年代のイタリアの建築理論を大学教育・研究との結びつきという観点から再検討するものである。本年度は、①戦後イタリア建築学部における設計理論の導入に伴う従来の建築教育制度の変容を明らかにする、②学生運動以前のイタリア建築教育の制度を明らかにする、③戦後イタリアの都市建築理論の教育的意味を明らかにする、という3点を目的とした研究を進めた。ただし昨年度からの続くCOVID-19流行に伴う海外渡航自粛により、予定していたイタリア建築教育機関における資料調査が実施できなかったため、手元にある資料に限定された範囲のものとなった。 ①と②については、イタリア人建築家アルド・ロッシが1960・70年代にかけてミラノ工科大学建築学部で展開した建築設計教育を追跡し、それと並行する彼の建築理論は教育的観点からこそ理解可能なものとなることを明らかにし、学術論文として発表した。また③については、アルド・ロッシの都市理論である『都市の建築』(1966)が建築設計教育論として理解できることを明らかにして、学会雑誌に発表した。 さらに1950年代のアルド・ロッシの建築理論と同時期のイタリア・ソ連共産党文化の関係を追跡することで、1960年代以降にロッシが設計教育論を展開していくときの基本的なモチーフの出自を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度からの続くCOVID-19流行に伴う海外渡航自粛により、予定していたイタリア建築教育機関における資料調査が実施できなかったため、手元にある資料に限定された範囲のものとなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、戦後イタリアにおける都市建築理論の評価を戦後から1970年代にまで広げて検討する。ただし海外渡航の安全性の確保に見通しが立たないため、当分は手元にある資料によって可能となる範囲に研究を絞り、むしろ建築教育という研究テーマの視点を工夫することによって、本研究の射程を拡げる可能性を模索する。
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