2021 Fiscal Year Annual Research Report
点付き曲面に付随する団代数とgentle代数の導来圏
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20J00410
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
百合草 寿哉 東北大学, 理学研究科, 客員研究者
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 団代数 / τ傾理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
多元環の表現論と団代数理論に関し、主に以下の2つの研究を行った。 1.多元環の表現論の傾理論において、Bongartzによって与えられた、任意の部分傾加群に対しそれを因子に持つ傾加群を得る操作 (Bongartz completion) は、τ傾理論に拡張された。研究者はτ傾理論において、τ傾加群の不変量であるC行列を用いてBongartz completionの新たな特徴付けを与えた。この特徴付けを基に団代数にBongartz completionを導入し、存在性や一意性を証明した。 2.団代数の生成元である団変数はfベクトル、gベクトル、cベクトルと呼ばれる不変量を持ち、変異に伴いfベクトルにも変異が定義される。また、gベクトルとcベクトルを用いたfベクトルの漸化式によって、fベクトルを再帰的に定義することができる。一方、団代数にはヤコビ代数の加群圏による圏化が存在し、団変数と“到達可能な”直既約τリジッド加群が対応し、fベクトルとそれらの次元ベクトルが一致する。また、τ傾理論においてもgベクトルとcベクトルが存在し、団代数のそれらと一致する。 圏論の観点から、ヤコビ代数を含んだより大きいクラスである団傾(cluster tilted)代数に対し、gベクトルとcベクトルを用いた直既約τリジッド加群の次元ベクトルの漸化式を与えた。特に、上記のfベクトルと同じ漸化式で与えられる。 応用の一つとして、Labardini-Fragosoが定義した曲面ヤコビ代数を考える。このとき、曲面ヤコビ代数の全ての直既約τリジッド加群と曲面のタグ付き曲線が一対一対応し、次元ベクトルと交点ベクトルが一致することを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画から少し逸れ、gentle多元環に着目した研究ではないが、多元環の表現論と団代数理論を互いに応用し、それぞれ発展させるという研究目的の根底に沿った研究を行い、進展が得られている。また、曲面ヤコビ代数は多くのgentle多元環を含んだクラスであり、gentle多元環の幾何学的実現への類似も見据えた研究で新たな結果が得られたという点でも、おおむね順調な進展と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
多元環の表現論と団代数理論の架け橋を作る研究を今後も続けていく。特に、点付き曲面のの一般化であるオービフォールドに対応するような一般団代数とgentle多元環の関係を考えていく。現在、特定のクラスで対応するが知られているため、それらの一般化と、自身の結果の拡張を行う。
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Research Products
(5 results)