2022 Fiscal Year Annual Research Report
Stable carbon and nitrogen isotope discriminations in aquatic ecosystems
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20J00607
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
大西 雄二 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 特任助教
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 安定同位体比 / 琵琶湖 / アンモニウム |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度であった2022年度には、魚類遡上時期に増加する河川水中のアンモニウムの起源を定量的に推定する手法を開発することを目的として、2020、2021年度に滋賀県内の知内川・安曇川・姉川・大川・鵜川にて採取した試料の分析を進めた。まず、知内川をモデル河川として、琵琶湖に生息する魚類が大規模に遡上してくる夏季に、多地点で採取した試料の河川水中アンモニウムの濃度と窒素同位体比を測定した。その結果、遡上魚の密度が増加するにつれてアンモニウムの濃度・窒素同位体比が上昇していた。これらの結果から、河川水中の増加したアンモニウムの起源が魚類による排泄効果によると推定された。さらに、その手法を適用することによって、遡上魚の排泄によって供給されたアンモニウム窒素が底生藻類へ取り込まれ、さらにその藻類を摂食した藻類食昆虫にまで伝播していく様子を定量的に捉えることに成功した。この成果により1件の学会発表を行い、共同研究者と共に国際誌投稿へ向けて論文を2件執筆中である。 次に、複数河川で同様の手法を適用し、河川水中のアンモニウムの起源として、これまで知られていた遡上魚による排泄や死骸分解だけでなく、おそらく魚類の産卵行動に伴う河床撹乱による河床堆積物からの溶出も重要である可能性が示された。しかし、本研究課題の期間内にこの仮説を検証するには至らなかった。引き続き、この仮説を検証するために同河川での調査を継続し、論文を執筆する予定である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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