2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20J00802
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
大山 倫弘 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD) (00807034)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | ガラス / 細胞質 / 限界安定性 / 流動性 / レオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では細胞質ガラスのActiveな流動化現象の物理的な理解を目標としている.研究をすすめる中で申請者はそもそもガラスの流動化という現象についての理解が未だ十分には得られていないことに気が付き,上記目標達成のための予備的な検討として,これまで多くの研究が行われてきたせん断外場の下で流動化されるガラスを対象にその流動化のようすの理解を目指すこととした. 前年度は,主に以下の二つの成果を得た. まずは,ガラスの流動化に伴う力学的応答の変化の様子,いわゆるレオロジー応答のようすを降伏臨界性という非平衡臨界性の一種の観点で理解することに成功した.特にこの研究ではHerschel-Bulkley則と呼ばれる普遍的な力学法則の構造起源を明らかにすることに成功した.また,ガラス転移の類似現象であるジャミング転移と流動化の関係についても調べた.ジャミング転移とはマクロな粒子が高濃度で示す創発的な剛性発現を指す.せん断により流動化されるマクロ粒子濃厚系が示す種々の量のゆらぎのようを解析し,適切に定義した感受率がIsing模型のような平衡臨界現象と同様の振る舞いを示すことを数値的に示した. 2年目である本年度はせん断下で流動化されたガラスが示す動力学的な揺らぎに着目した解析も行った.結果,前年度の研究で明らかにしたHerschel-Bulkley則という応答を支配する長さスケールとは異なる長さスケールで動力学的揺らぎが支配されていることを明らかにした.さらにHerschel-Bulkley則で観察対象とする応力応答が示す揺らぎも定量化し,応力揺らぎを支配する長さスケールは動力学的揺らぎのものと一致していることも明らかにした. これらの流動化に伴う諸性質の理解は本研究計画で最終目的に据えている細胞質流動化現象の理解のほか,広く材料開発にも有用な知見の獲得にも寄与し得ると期待できる.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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