2022 Fiscal Year Annual Research Report
1740年から1780年までのドイツにおける交響曲の鳴り響きに関する研究
Project/Area Number |
20J00836
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
新林 一雄 国際基督教大学, 教養学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | オーケストラ / 交響曲 / ドレスデン / 響き / レーゲンスブルク / ヴァラーシュタイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1740年から1780年までのドイツの宮廷オーケストラによって生み出された交響曲の響きを明らかにすることである。この研究は、交響曲を盛んに演奏した13楽団を対象としている。2022年度は、先行研究が組み合わせて調査してこなかった種々の資料を検証することで、楽団の響きの特性を多角的に示すことを目指した。 ドレスデン宮廷楽団は、18世紀前半のドイツを代表するオーケストラであった。研究では、楽団が演奏した楽譜(スコアとパート譜の両方)、音楽理論書、絵画、演奏会のためのメンバー表を横断的に調査した。その結果、演奏空間の規模に応じて人数を調整することで、この楽団がフランスとイタリアの様式の混合に基づいた響きを様々な演奏場所で生み出していた実態を明らかにできた。 18世紀第4四半期のヨーロッパにおいて、交響曲の楽器編成はより大きくなり、最大で6種もの管楽器を含むようになった。しかし、18世紀第4四半期のドイツでは、交響曲の作曲と演奏を主導したマンハイム宮廷楽団が早くも1778年に解散していた。当時のドイツでは、交響曲を盛んに演奏したレーゲンスブルクとヴァラーシュタインの宮廷楽団(以下2楽団と記す)が台頭し、ドイツ内外の多くの音楽家が、演奏を聴くために2楽団を訪れた。本研究では、2楽団が、交響曲における楽器編成の拡大に関わりがあったかを検証した。そのために、手稿譜、演奏場所の見取り図、宮廷の記録を調査し、2楽団と他の楽団を比較した。その結果、多くの音楽家が訪れた2楽団は、従来通りの管楽器2種の交響曲だけでなく、これらの楽団に適した書法による、多くの管楽器を伴う交響曲も演奏したと指摘できた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)