2020 Fiscal Year Annual Research Report
Structural balance in international relations: Is the enemy of my enemy my friend?
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20J01060
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
大石 晃史 青山学院大学, 国際政治経済学部, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 国際関係 / ネットワーク / 構造バランス / 同盟 / ライバル / 紛争 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際関係ネットワークの軍事・安全保障面に注目し、ネットワークの構造バランスの時間変化を分析した。具体的には軍事同盟データセットおよびライバル国データセットを用いて1816年から2009年までの国家間の同盟・ライバルネットワークを符号付きネットワークとして構築し、その構造バランスを静的・動的サロゲートと比較した。静的サロゲートは各時点のネットワークで符号をシャッフル、動的サロゲートは各隣接時点でのネットワークの変化タイプをシャッフルして構築した。これによりランダムなネットワーク・ランダムな変化と比べて実ネットワークが構造バランス仮説と整合的か分析した。その結果、静的・動的サロゲートの比較でともに構造バランス仮説と整合的な時期(ドイツ統一までと第二次世界大戦以降)とそうでない時期(その間の時期)があることが確認できた。これは国家間関係のダイナミクスが初期、中期、末期で大きく変化した可能性を示唆しており、国際関係論の知見およびネットワーク科学、特に符号付きグラフの実例としても非常に興味深い。この結果を学術誌に投稿すると共にプレプリントとして公開した。さらに、国家間ネットワークをより総合的な視点から分析するために海外基地ネットワーク、つまり主要国の中でどの国がどの国に海外基地を有しているかのデータの構築を行った。海外軍事基地ネットワークは軍事的な相互作用の実現可能性を大きく規定しており、これをベースとした分析を行うことで国際関係のデータ分析の対象となるべきダイアッドなどをより適切に選択することができるようになると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構造バランス理論について最も重要性が高いであろう軍事的な協力・対立関係について実データを利用して分析することができた。特に静的サロゲートに加えて動的サロゲートとの比較を行うことにより、構造バランス仮説について複数の側面から整合性を議論することができた。国際関係の経済的な側面や構造バランスについての理論的な検討は必要であるものの、概ね順調に進展したと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
国家間の敵対友好関係の構造バランスについての安全保障面(軍事同盟、ライバル関係)に注目してサロゲートデータとの比較を進めることができたが、構造バランスというミクロ的なプロセスが導くマクロな帰結についての理論的な分析や国際関係の経済的な側面や検討を進めることは、国際社会の敵対友好関係を総合的に理解する上で不可欠である。それらの補完的な側面について、今回の知見との関連性に注目しながら分析を進め、統合していくことが必要だと考える。
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