2021 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルジェネティクスによる植物の細胞極性形成機構の解明
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20J01129
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉成 晃 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞極性 / シロイヌナズナ / BOR1 / 化学遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、植物細胞がもつ「内側」と「外側」の細胞極性形成機構を明らかにするため、化学遺伝学的手法によって細胞極性の形成に必須な遺伝子の同定と機能解析をすることを目的としたものである。細胞の内側(中心柱側)に極性局在する膜タンパク質・BOR1-GFPをマーカーとし、約2万種類の化合物の中からBOR1-GFPの極性局在性を阻害する化合物を探索し、これまでにPolarin1、Polarin2と名付けた2種類の化合物を獲得している。Polarin1は、プロトノフォア活性を示し、細胞質酸性化を引き起こすことでエンドサイトーシスを阻害し、BOR1-GFPの極性局在を阻害することが分かった。一方、Polarin2は、BOR1-GFPのユビキチン化を促進することでBOR1-GFPの極性局在を阻害することが分かった。これらの化合物は、それぞれ膜交通やBOR1動態に作用するものであり、細胞極性の形成を阻害する化合物は未だ単離されていない。本研究課題終了後も、化合物スクリーニングを継続し、細胞極性阻害化合物の同定と作用機構の解明を推進する予定である。 一方、内側/外側の細胞極性機構を調べるための有用なモデルとして、新たにDUAL POLAR KINASE (DPK)タンパク質を同定した。DPKは、表皮および皮層において外側(土壌側)に極性局在する一方、内皮においては内側(中心柱側)に極性局在することが分かった。将来、この細胞層特異的な極性局在様式の変化(極性スイッチ)の分子機構を明らかにすることで細胞極性制御機構に迫れるのではないかと考えている。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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