2020 Fiscal Year Annual Research Report
計算化学・遺伝子工学・分子生物学を基盤とした植物二次代謝酵素の解析と設計
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20J01256
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 玄 千葉大学, 薬学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | アルカロイド / DFT |
Outline of Annual Research Achievements |
採用からわずか9ヶ月間の研究期間ではあったが、当初の計画よりも研究が進展したと考えている。ホソバルピナス由来のリジン・オルニチン脱炭酸脱炭酸酵素 (L/ODC)については、共同研究者の取得した X 線結晶構造解析に基づき、約 30 種類の変異体酵素の作成とその活性評価を行うことができ、各アミノ酸側鎖がどのように酵素活性に寄与しているかを明らかにすることが出来た。また、研究計画に従い、L/ODC の近縁酵素であるアルギニン脱炭酸脱炭酸酵素 (ADC)、ジアミノピメリン酸脱炭酸脱炭酸酵素 (DapDC)との比較も進めた。ホソバルピナス(Tanjil品種)から La-DapDC と La-ADC をそれぞれクローニングしてくることに成功し、このうち、La-DapDC については、in vitro で酵素活性を確認することが出来た。また、La-L/ODC と La-DapDC の構造を計算化学により比較することにより、重要なアミノ酸残基を予測した。その結果、La- L/ODC F344H と La- L/ODC F344Y という2種の点変異体酵素が DapDC 活性を示すことを見出した。このことは、酵素の基質特異性や反応機構に新たな知見を与えるに留まらず、L/ODC 近縁種の酵素の進化の議論にもつながる大きな成果であると考える。 また、40 年以上にわたり謎とされてきたブラシラン型骨格の生合成反応機構を計算化学を駆使することによって明らかにし、アメリカ化学会誌(J. Am. Chem. Soc.)に掲載され、表紙にも選出された。さらに、多様な天然物骨格の構築を目的とし、酸化酵素の反応機構解析にも取り組み、インドールジテルペン化合物 Lolitrem 生合成研究におけるラジカル閉環反応の詳細を明らかにすることに成功し、Angew. Chem. Int. Ed. 誌に掲載された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)